2025-05-30 コメント: 1件 ▼
インボイス制度の廃止を求める声高まる 価格転嫁できず生活破綻寸前の個人事業主も
インボイス制度の廃止を求める声、現場から強まる懸念
フリーランスや個人事業主の間で不安と不満が広がるインボイス制度に対し、日本共産党の田村智子委員長が、制度の廃止と影響調査を国に強く求めた。5月30日に開かれた衆院財務金融委員会で、田村氏は新たなデータを提示し、現行制度が小規模事業者の経営に深刻な打撃を与えている現状を浮き彫りにした。
登録事業者増加と納税負担の急変
田村氏はまず、制度施行以降、免税事業者から新たに課税事業者に転じた人が急増している点を問題視した。2023年には約105万人がインボイス登録を行い、さらに2024年には23万人以上が新たに制度に組み込まれたとされる。これにより、これまで納税義務のなかった層に突然の消費税納付が課され、資金繰りの悪化や経営継続の不安が顕在化している。特に2024年からは初めて1年分の納税が必要となることから、滞納リスクの拡大が懸念されている。
8割が価格転嫁できず、生活費を圧迫
田村氏はまた、フリーランス団体「STOP!インボイス」が実施した1万人規模の調査結果を紹介。そこでは、約8割の登録事業者が消費税の支払い分を顧客に価格転嫁できていないことが判明している。特に年収の低い個人事業主ほど打撃が大きく、生活費に匹敵する額の納税を強いられている実態があるという。一部には、納税資金を借金で賄っているという証言もある。これに対し田村氏は「この制度のあり方自体が問われている」と厳しく追及した。
建設業界など他分野への波及も
さらに田村氏は、建設業界など現場の人手不足が続く業種においても、インボイス導入が追い打ちとなっていると警鐘を鳴らした。取引構造が複雑な業界では、元請けから下請けまで負担が連鎖し、実質的な手取り減につながっているという。田村氏は「制度導入が多くの分野で経済的悪影響を及ぼしている。国として責任ある検証と対応が必要だ」と迫った。
政府は「把握に努める」との答弁にとどまる
加藤勝信財務相は「事業者ごとの実情を丁寧に把握していく」と述べるにとどまり、制度の是非については明確な答弁を避けた。ただし、田村氏の指摘を受けて「調査結果には目を通したい」との意向も示した。制度の抜本見直しには慎重姿勢を崩していないものの、現場の声に応じた柔軟な対応の必要性が強まっている。
ネット上の声も制度に疑問
SNS上でも、インボイス制度への反発や不安の声が多数上がっている。
「結局は小さな事業者を潰す制度になっている」
「うちのような弱小フリーランスには致命的。価格転嫁なんて無理」
「生活費を削ってまで消費税を納めろというのはあまりに酷」
「借金してまで納税って、それもう破綻してるでしょ」
「この制度、現場の現実を全く見てない。即時廃止を求む」
こうした声が示すように、インボイス制度は制度設計の再検討を迫られている。現場からの切実な訴えにどう応えるのか、政府の姿勢が問われている。