2025-05-08 コメント投稿する ▼
学術会議解体法案、採決強行へ 田村智子「政治的暴挙」と批判
学術会議解体法案、採決強行へ 田村氏「政治的思惑による暴挙」
政府・与党は、学術会議を特殊法人に改組する法案を衆議院内閣委員会で採決しようとしている。これに対し、日本共産党の田村智子委員長は8日の記者会見で「政治的思惑によって学術会議の解体を狙う暴挙」と厳しく批判し、法案の廃案を求めた。
学術界から反発 「誰が求める改革なのか」
田村氏は、今回の法案が菅義偉内閣時代に6人の会員候補が任命拒否されたことが発端であると指摘。学術会議自身は新しい法律や法人化を求めておらず、自ら改革を進めていることも明らかにしたと述べた。
「学術会議を解体して新組織をつくることを求める声は、学協会や研究者の間からは出ていない。いったい誰がこの改革を求めているのか」と田村氏は疑問を呈し、政府側の説明不足を批判した。
学問の自由と独立性に懸念
問題となっている法案は、現行の学術会議法の前文にある「科学者の総意の下」に設立されたという一文を削除し、学術会議の組織運営を政府が監督する仕組みを導入する内容だ。これにより、学問の自由や独立性が脅かされるとの懸念が広がっている。
田村氏は「ナショナル・アカデミーの解体に等しい」と述べ、学術会議が学問の自由を守るために重要な役割を果たしていることを強調。「採決はありえない」と改めて強く反対の意を示した。
市民と学者の抗議活動も
政府が採決を強行しようとする中、国会前では学者や市民が「人間の鎖」をつくり、法案の廃案を求める声を上げている。参加者は「学問の自由を守れ」と声を揃え、学術会議が政府の意向で左右されることに反対の意思を示している。
この問題は、学問の独立性や表現の自由をめぐる重大な分岐点となっており、法案の行方に注目が集まっている。