2025-04-29 コメント投稿する ▼
世代間の分断より対話を――田村智子委員長と若者が語る“格差と共感”のリアルな現場
世代のラベルに対する違和感
対話の前半では、「そもそも世代とは何か?」をテーマに議論が展開された。参加者のミユキさんは、「ゆとり世代と言われるけれど、世代でくくられるのは嫌」と述べ、もりゆめさんも「ミレニアル世代だけれどピンとこない。Z世代はどんなことを考えているのかなど、他の世代はくくってしまう」と語った。黒田朝陽さんも「くくられるのは嫌だけど、自分も10代の子たちとの違いは感じる。携帯が当たり前だから、電話が苦手でメールですませるとか」と話した。田村氏は、自身の経験を交えながら、「携帯がない時、物語がいっぱいあった」と述べ、世代間の違いが壁を作るのではなく、物語として共有できる可能性を示唆した。
対立の背景にある社会構造
後半のテーマは「なぜ対立になってしまうのか」。もりゆめさんは、「祖母が迷惑をかけたくないので早く死にたいというのが切ない。自分は、祖母を高齢者とくくっていない」と語り、ミユキさんも「(年齢が違う集団を)くくりたくなるのが不思議」と述べた。田村氏は、「『抽象的な世代』になると壁ができてしまう」と指摘し、対立の意味を深め合った。もりゆめさんは、「一人一人が苦しいから、自分や自分に近しい人を守るために精いっぱいになる。苦しさの裏返し」と話し、黒田さんも「自己責任が自分の世代を表す言葉。自分の責任で追いきれない苦しさが、分断になっている」と語った。
政治の責任と対話の重要性
田村氏は、自身がさまざまな世代の人と関わった経験を振り返り、「その時代時代で政治の責任が問われなければいけないのに、世代対立にさせられていることに怒りを覚える」と述べた。トーク後、黒田さんは「自分の未来に展望が持てれば解決する問題。政治の展望を示すことが求められる」と語り、もりゆめさんは「一人一人に人生、ストーリーがある。みんなが自分らしくやりたいことができる社会になるといい」と述べた。ミユキさんは「それぞれの世代にポジティブな意見や誇りがあって、それがきけて楽しかった」と感想を述べ、田村氏も「対話のなかで深め合って考えていく」大切さを実感したと語った。
* 世代間のラベル付けに対する違和感が共有された。
* 対立の背景には、社会構造や自己責任論が影響している。
* 政治の責任と、対話を通じた理解の重要性が強調された。
* 個々の人生やストーリーを尊重する社会の必要性が示された。
この対話は、世代間の分断を乗り越え、共通の理解と連帯を築くための一歩となるものであった。今後も、異なる世代が対話を重ね、共に未来を築いていくことが求められる。