2025-04-23 コメント投稿する ▼
選択的夫婦別姓、今国会での実現訴え 新婦人が署名提出と院内集会開催
選択的夫婦別姓を求める院内集会の開催
集会では、20代の会員が結婚による改姓の喪失感について語り、「制度実現をなんとしても」と訴えた。ゲストとして、IT企業サイボウズ社長の青野慶久氏、mネット・民法改正情報ネットワーク理事長の坂本洋子氏、全労連副議長の髙木りつ氏、全日本民医連事務局次長の西村峰子氏が登壇し、選択的夫婦別姓の実現に向けた意見を述べた。また、日本共産党の田村智子委員長をはじめ、立憲民主党、社民党、参院会派「沖縄の風」の国会議員らが挨拶し、今国会での制度実現への意欲を示した。
改姓が女性のキャリアに与える影響
日本では、結婚に伴い95%の夫婦が妻の姓に改姓している現状がある。この改姓は、働く女性にとってキャリア形成に大きな影響を及ぼす要因の一つとされている。銀行口座やクレジットカード、運転免許証などの名義変更手続きが煩雑であり、時間的・精神的な負担が増加する。また、職場での認知度や信頼関係が一時的に低下する可能性があり、特に専門職やクリエイティブな職業に従事する女性は、業績の連続性が損なわれることもある。
経済界からの制度導入への提言
経済界からも選択的夫婦別姓制度の導入を求める声が上がっている。経団連は2024年6月、選択的夫婦別姓の早期実現を求める政策提言を発表した。提言では、夫婦同姓を義務づけた民法750条の規定が、多様性、公平性、包摂性(DEI)の観点から見直しが必要であると指摘している。また、経団連が実施した調査では、88%の女性役員が旧姓の通称使用が可能でも何らかの不便さや不利益が生じると回答しており、82%が選択的夫婦別姓制度の導入を支持している。
制度実現に向けた今後の展望
選択的夫婦別姓制度の導入を巡っては、法務省が1996年および2010年に改正法案を準備したが、いずれも国会には提出されていない。また、最高裁は2015年と2021年に夫婦同姓制度が憲法に違反していないと判断したが、「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄」としており、制度の是非は立法府に委ねられている。今国会では、野党側が選択的夫婦別姓制度導入の民法改正案を共同提出する動きもあり、制度実現への期待が高まっている。
- 新日本婦人の会が主催する院内集会が開催され、選択的夫婦別姓制度の早期実現を訴えた。
- 請願署名は7万9696人分に達し、紹介議員は自民党議員を含む108人に広がっている。
- 改姓は女性のキャリア形成に大きな影響を及ぼし、職場での認知度や信頼関係が低下する可能性がある。
- 経団連は選択的夫婦別姓の早期実現を求める政策提言を発表し、制度導入を支持する声が高まっている。
- 法務省は過去に改正法案を準備したが、国会には提出されておらず、制度の是非は立法府に委ねられている。