2025-04-09 コメント投稿する ▼
広がる違法オンラインカジノ 対策の甘さに厳しい指摘
1兆円超の賭け金 実態は深刻
警察庁の最新調査によると、国内でオンラインカジノを利用したことがある人は約337万人にのぼり、年間の賭け金の総額はなんと1兆2400億円に達するとされている。驚くべきは、その43%が「オンラインカジノが違法だと知らなかった」と答えている点だ。田村氏はこの結果を踏まえ、「違法な行為だという認識が薄いまま利用が拡大している」と強い危機感を示した。
金融庁「送金停止の実績なし」
田村氏はさらに、オンラインカジノへの資金の流れを止めるため、銀行法や資金決済法を活用すべきではないかと指摘。「金融機関からの送金は本来禁止されているはず。具体的な対応はしているのか」と問いただしたが、金融庁の屋敷利紀総合政策局長は「送金停止の件数は把握しておらず、行政処分もこれまでにない」と答弁。田村氏は「現行法でできるはずの対応さえ怠っている」と厳しく批判した。
口座不正利用も見逃される現状
オンラインカジノをめぐっては、銀行口座の不正利用も深刻な問題となっている。全国銀行協会のアンケートでも、不正口座の利用停止件数が示されているが、オンラインカジノに関する内訳は明らかにされていない。田村氏は「金融庁として、協会に対してオンラインカジノに起因する不正口座利用の件数も調査するよう求めるべきだ」と訴えたが、加藤勝信財務相は「協会のアンケートには件数が記載されていない」と述べるにとどまった。
「カジノ解禁」が生んだ認識の混乱
田村氏は2016年、自民・公明両党がカジノを「経済成長の起爆剤」として推進し、解禁に踏み切った政策を強く批判。「あのとき国が『カジノは成長戦略』と大々的に打ち出したことで、違法なオンラインカジノにも正当性があるかのような誤解が広がっている」と指摘した。近年ではネット上での広告も目立ち、「違法性の認識がますます薄れかねない」と警鐘を鳴らした。
問われる規制の実効性と政府の本気度
現行法で対応可能なはずのオンラインカジノ対策が、事実上ほとんど機能していない現状が浮き彫りになった今回の審議。田村氏は「国民の安全と健全な金融秩序を守る責任が、政府にはある」として、迅速かつ具体的な規制強化と啓発活動を求めた。