2025-04-04 コメント投稿する ▼
日本共産・田村氏『トランプ関税は暴挙』 政府に撤回要求と雇用対策求める
この動きを受けて4月4日、石破茂首相と与野党の党首が国会内で会談を行った。会談の中で日本共産党の田村智子委員長は、「トランプ関税は国際ルールを踏みにじる暴挙だ」と厳しく批判。日本政府に対して、関税措置の即時撤回を米国に強く求めるよう訴えた。
田村委員長が訴えた主なポイント
- 今回の関税措置は、WTO(世界貿易機関)ルールに明らかに違反しており、日本だけでなく各国の経済主権をも踏みにじるものだ。
- 日本政府は、米国との二国間協定を根拠に、追加関税が協定違反であることを明確に主張しなければならない。
- 輸出企業への打撃だけでなく、中小企業や地域経済、さらには国民の暮らしにも大きな影響を及ぼす可能性があるため、国内の雇用を守る万全な対策を早急に講じるべき。
- 2008年のリーマン・ショック時のように、非正規労働者を中心に大量の雇い止めが発生した事例を繰り返してはならない。
田村氏はさらに、今回の事態は、自由貿易によって恩恵を受けてきた一部のグローバル大企業や大株主とは対照的に、各国の労働者が損失を被っている構造を浮き彫りにしていると指摘。「今こそ経済主権と食料主権を尊重した、新しい公正な貿易ルールを模索すべきだ」と語った。
「アメリカの顔色をうかがう時代は終わったのでは」
会談後、記者団の取材に応じた田村委員長は、「アメリカ帝国主義の“落日”が始まった」との党の立場に触れ、「経済面でもその兆候が現れてきた。日本はこれまでのようにアメリカの顔色をうかがうだけの外交を続けるべきではない」と述べた。
経済界からも懸念の声
国際貿易センター(ITC)の報告によると、今回の関税により、日本の自動車輸出は最大で170億ドル(約2.5兆円)にのぼる損失が生じる可能性があるという。ただし、アジア諸国や欧州など新たな市場を開拓することで、一定の影響は緩和できる見通しも示されている。
一方で、米国内でもこの政策による反発が出ている。ミシガン州の業界関係者は、「関税が上がればクルマの値段も上がる。結局、ツケを払うのは消費者だ」と不満を漏らす。実際、アメリカのエコノミストの試算では、関税によって米国の消費者が年間300億ドルを超える追加負担を強いられるとの見方もある。
問われる日本政府の対応
今回のトランプ関税をめぐっては、自由貿易体制そのものが揺らぎつつあることを象徴する事態との見方もある。日本政府は今後、国民の生活と雇用を守るため、具体的な対策と国際社会との連携をどう進めていくのかが問われる。
今こそ、単に米国との関係に目を向けるだけでなく、日本自身の立場と利益を明確に示す外交姿勢が求められている。