2025-06-06 コメント投稿する ▼
国民民主党・玉木代表、男系男子による皇位継承を再表明 山尾氏の女系容認発言に党内からも批判の声
X投稿で「わが党の考え方」を明言
国民民主党の玉木雄一郎代表は6日、皇位継承に関する党の基本方針を自身のX(旧Twitter)で改めて明言した。玉木氏は「歴代の皇位は例外なく男系で継承されてきた。次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない。これがわが党の基本的な考え方だ」と投稿し、男系男子による継承を堅持する姿勢を強調した。
この発信は、同党が参院比例代表に擁立する元衆院議員・山尾志桜里氏の投稿をきっかけとしたもので、山尾氏は「女系天皇の議論を避けつつ、女系天皇の選択肢を排除する進め方は間違っている」とXに投稿し、党内外から批判を集めていた。
玉木代表の投稿はこの流れを受けてのもので、党としての立場を明確にすることで議論の収束を図る意図があるとみられる。
女系天皇をめぐる発言が波紋
山尾氏の発言は、一部のユーザーや保守層から強い反発を招いた。
「国民民主の立場と違うならなぜ候補になったのか」
「皇位の正統性に対する認識が軽すぎる」
「党内の統一感がなければ信頼されない」
これに対し、党内からも異論が噴出した。参院比例代表予定候補の足立康史氏は、自身のnoteで「このような投稿は国民民主党の政策の範囲を超えている」と明記し、山尾氏に対して削除を求めたことを明かしている。
玉木代表も山尾氏に直接「発言には注意してほしい」と伝えたという。党内での亀裂を防ぐため、あくまで男系男子による皇位継承が基本であるという立場を重ねて強調した。
国民民主の公式見解:安定的継承と皇族数確保
国民民主党は2024年3月、党の両院議員総会において、皇位継承問題に関する方針を正式に取りまとめている。その中で、現在の男系男子による継承原則を維持した上で、安定的な皇位継承に向けた制度整備を求めている。
その具体策としては、女性皇族が結婚後も皇室に残る制度の創設や、旧宮家出身の男系男子による皇籍復帰の可能性を法制度として認める方向が示されている。玉木氏は以前から「このままでは将来的に皇族数が足りなくなる」との危機感を示しており、柔軟な制度設計が不可欠だとの認識を持っている。
一方で、現時点で女系天皇を制度として容認することについては慎重な姿勢を崩しておらず、「男系継承の伝統を維持しつつも、現代社会に即した対応が必要」との立場を堅持している。
悠仁さま以降の議論「今は控えるべき」
玉木代表は、今回のX投稿の中で「悠仁さま以降の皇位継承については、現時点では議論の機が熟していない。かえって皇室制度を不安定にさせる恐れがある」との見解を示した。
「制度の根幹に関わる問題は、現実に必要なときが来るまで予断を持って議論すべきではない」
という考えが根底にある。皇位継承に関する議論は、天皇陛下や皇族の方々の存在そのものに関わる重大な問題であることから、極めて慎重な言葉選びとタイミングが求められるとされる。
そのため、今回のように現職の候補者がSNS上で党の見解とは異なる持論を展開したことに、党内から「極めて不適切」とする意見が出たのは必然とも言える。
政党としての統一的対応が求められる
皇位継承問題は、伝統と制度のバランスが問われるセンシティブな政策分野であり、有権者からも強い関心を集めるテーマである。国民民主党は、政権を担う可能性を視野に入れた中道政党として、伝統的価値観と合理的制度改革のバランスを取ろうとしている。
今回の一連の発言と対応は、党としての「政見の一貫性」と「言論管理」の両面に課題を突きつけた形となった。候補者の自由な発言と、政党としての政策整合性。この両立は、今後の政党運営においてますます難しい舵取りが求められることを示している。