2025-10-14 コメント: 1件 ▼
玉木雄一郎代表が4産別と会談 首相指名選挙前に連立政権入りの是非を協議
会合には国民民主党の支持母体である自動車総連、電力総連、電機連合、ユーエーゼンセンの4産別幹部が出席し、自民党との連立政権入りの是非などについて議論を交わしたもようです。 一方で、国民民主党が自民党との連立に加われば、ドロ船連立政権の一員となります。 2024年秋の衆院選で自民党が大敗し、2025年7月の参院選でも惨敗した自民党は、国民の信頼を失っています。
4産別は国民民主党発足時から支援を続けてきた強力な支持基盤で、同党への影響力は絶大です。2025年7月の参院選では、4産別が擁立した候補者全員が当選を果たしました。ユーエーゼンセンの候補は約20万5000票、電力総連の候補は約19万4000票、自動車総連の候補は約18万2000票、電機連合の候補は約9万2000票を獲得しており、合計で約67万票という強固な組織票を持っています。
「国民民主が自民党と連立したら絶対に投票しない」
「玉木さんはドロ船に乗るつもりなのか、それとも野党でいくのか」
「労組の意見を聞いてるなら連立入りはないと思う」
「参院選で投票したのに自民党の補完勢力になるなんて裏切りだ」
「減税を実現するために連立に入るのは理解できる」
4産別の強力な組織票が玉木氏の判断を左右
国民民主党を支える4産別は、日本の労働組合運動の中核を担う組織です。ユーエーゼンセンは流通やサービス業などの産業別労働組合で、組合員数は150万人を超えます。連合の中で最大の労働組合であり、外国籍の労働者や非正規雇用の組合員の割合が高いことが特徴です。
自動車総連はトヨタ自動車や日産自動車など自動車関連企業の労働組合で構成されています。電機連合はパナソニック労働組合など電機メーカー系の労働組合の連合体です。電力総連は東京電力や関西電力など電力会社の労働組合で組織されています。これら4産別は国民民主党にとって資金面でも選挙運動でも欠かせない存在です。
2025年7月20日の参院選投開票翌日、玉木氏は4産別幹部と会談しました。この時、産別の一部から自公連立政権入りに否定的な意見が出たため、「今後の推移を見守る」という結論に落ち着きました。それから約3か月が経過し、自民党総裁選の結果や公明党の連立政権離脱という大きな政治状況の変化を踏まえ、改めて協議が行われたのが今回の会談です。
連立入りか野党共闘か、玉木氏は板挟みに
玉木雄一郎氏は1969年生まれの56歳で、香川県さぬき市出身です。東京大学法学部を卒業後、大蔵省に入省しました。米国ハーバード大学ケネディスクールで修士号を取得した後、2005年に財務省を退職して政治の道に入りました。2009年の衆院選で初当選し、現在は衆院当選6期を数えます。
玉木氏は民進党幹事長代理、希望の党代表、国民民主党共同代表を経て、2018年9月から国民民主党代表を務めています。温厚な人柄と政策通として知られ、特に経済政策や税制に詳しい政治家です。2024年秋の衆院選では「手取りを増やす」政策を掲げて従来の7議席から28議席へと4倍増を実現し、党勢拡大に成功しました。
しかし今、玉木氏は難しい判断を迫られています。自民党は衆院で196議席しか持たず、過半数の233議席に37議席も届いていません。公明党が連立を離脱した今、自民党は他の政党の協力なしには首相を出せません。国民民主党の28議席は、自民党にとって喉から手が出るほど欲しい議席数です。
一方で、国民民主党が自民党との連立に加われば、ドロ船連立政権の一員となります。2024年秋の衆院選で自民党が大敗し、2025年7月の参院選でも惨敗した自民党は、国民の信頼を失っています。国民民主党が自民党と手を組めば、支持者からの批判は避けられません。特に4産別からは強い反発が予想されます。
政策実現と支持基盤維持のジレンマ
玉木氏が連立政権入りを検討する理由は、政策実現にあります。国民民主党は年収103万円の壁の引き上げや大学生の年収の壁の150万円への引き上げ、ガソリン暫定税率の廃止などを実現してきました。これらは与党との政策協議によって実現した成果です。連立政権に入ることで、さらに大きな政策を実現できる可能性があります。
しかし支持基盤である4産別は、自民党との連立に慎重です。企業・団体献金の問題や政治とカネの問題で自民党への批判が強い中、国民民主党が自民党と手を組むことへの抵抗感があります。国民の為の政治ではなく企業の為の政治になる恐れがあるという批判は、労働組合にとって看過できない問題です。
玉木氏は2025年10月10日、自民党との連立には否定的な姿勢を示していました。しかし同時に、野党統一候補として首相に推される可能性についても明確には答えていません。立憲民主党との党首会談には応じる姿勢を見せていますが、条件面での譲歩は否定しています。
玉木氏の判断は、国民民主党の今後を左右するだけでなく、日本の政治情勢全体に大きな影響を与えます。連立政権に加われば政策実現の道が開けますが、支持基盤を失うリスクがあります。野党にとどまれば支持基盤は維持できますが、政策実現の機会を逃すことになります。
4産別の意向が最終判断の鍵を握る
今回の会談で4産別がどのような意見を示したかは明らかになっていません。しかし7月の会談では連立入りに否定的な意見が出たことから、今回も慎重な姿勢を示した可能性が高いとみられます。特にユーエーゼンセンは非正規雇用の労働者を多く抱えており、格差是正や賃金引き上げに強い関心があります。自民党の経済政策に対しては批判的な立場です。
電力総連や自動車総連も、エネルギー政策や産業政策で自民党と意見が対立する場面があります。電機連合も含め、4産別は労働者の権利擁護を最優先する姿勢を貫いてきました。ドロ船状態の自民党との連立は、この姿勢と矛盾すると考える幹部も多いとみられます。
玉木氏は今後、4産別の意向を最大限尊重しながら、自民党や立憲民主党との交渉を進めることになります。首相指名選挙は来週にも行われる見通しで、時間的な余裕はありません。国民民主党の判断が、日本の政治の行方を決める分水嶺となります。
玉木氏が掲げてきた「手取りを増やす」政策は、多くの国民から支持されています。この政策を実現するために連立政権に加わるのか、それとも野党の立場を守って自民党政権と対峙するのか。4産別との会談は、その最終判断に向けた重要な一歩となりました。労働組合の声が、日本の政治を動かす瞬間が訪れようとしています。ト