2025-08-20 コメント投稿する ▼
兵庫県議が動画削除を求めた裁判 東京地裁は「公職者批判の範囲内」と退ける
兵庫県議が動画削除求めた裁判 東京地裁は退ける
兵庫県議会で百条委員会の委員を務めた丸尾牧議員が、動画投稿サイトに掲載された「デマを広げた」とする動画について削除を求めた裁判で、東京地方裁判所は21日、削除を認めない判決を下した。
丸尾議員は、斎藤元彦知事の告発文書をめぐる問題を調査する百条委員会で活動していたが、複数の動画で「裏を取らずにデマを広げた」との表現が使われたことを名誉毀損にあたるとして、運営会社に削除を要求した。
東京地裁の判断
東京地裁の林雅子裁判官は、「動画においてデマとされた情報の具体的内容は明らかにされていない。議員がデマを拡散したとする根拠も具体的に示されていない」と指摘。そのうえで「表現は公職者である議員への批判の範囲を逸脱するとは言い難い」とし、削除請求を退けた。
判決は、議員という公的立場にある人物に対しては、市民からの批判や言論を広く許容するべきだとの司法判断を改めて示した形となった。
丸尾議員の反応
判決を受けた丸尾議員は、「判決文が届いていないので詳細なコメントは控えるが、削除を求めていた投稿は裁判の途中で削除されていった」と説明。そのうえで「悪質な投稿には今後も毅然と対応していきたい」と述べ、引き続き名誉を守るための取り組みを続ける考えを示した。
ネット上の反応
この判決に関して、SNSではさまざまな声が寄せられている。
「議員に対してはある程度の批判は許される、という妥当な判断だと思う」
「根拠のない誹謗中傷は許されないけど、削除まで求めるのはやりすぎ」
「公職者なんだから批判は受け止めるべき」
「裁判の途中で動画が削除されたってことは、やはり投稿者も自信がなかったのでは?」
「ネット時代の名誉毀損の線引きがますます難しくなっている」
今回の判決は、公職者に対する批判表現の自由と、名誉毀損の境界線をめぐる一つの判断として注目されている。