2025-11-04 コメント投稿する ▼
大村秀章知事、愛知県ベトナム・ホーチミン市経済協力促進セミナー開催へ
愛知県は、ベトナム・ホーチミン市との経済協力促進を図ることを目的として、「日本・ベトナムホーチミン市間の経済協力促進セミナー」を2025年11月10日に開催することを発表しました。
愛知県は、ベトナム・ホーチミン市との経済協力促進を図ることを目的として、「日本・ベトナムホーチミン市間の経済協力促進セミナー」を2025年11月10日に開催することを発表しました。このセミナーは、大村秀章知事が推進する愛知県とベトナムとの関係深化の一環として実施されるもので、県内企業の海外展開支援策として注目されています。
愛知県とベトナム・ホーチミン市は、2016年9月に緊密な友好関係の構築、経済協力、貿易と投資、観光、文化、人材育成などの分野における協力、民間交流の促進などを目的として、覚書を締結しており、今回のセミナーはこの覚書に基づく具体的な取り組みとして実施されます。
「ベトナムは製造業の拠点として注目してきたが、最近は消費市場としても期待できそう」
「ホーチミンのアクセスの良さは魅力的。東南アジア全体への展開も考えやすい」
「愛知の企業にとって、ベトナムは欠かせないパートナーになってきた」
「人件費の上昇はあるが、それでも中国よりは安く、技術力も高い」
「今回のセミナーで最新情報が聞けるのは助かる。投資判断の参考にしたい」
ベトナム進出の魅力と愛知県の戦略的パートナーシップ
2023年にはベトナムで3,200社を超える日本企業が進出し、ベトナムのFDI企業総数の15%以上を占める状況にあります。2024年の日本のベトナムへのFDI資本は35億ドルに達し、ベトナムにおける新規登録FDI資本額では、日本はシンガポール、韓国に次いで第3位となっています。
経済成長著しいベトナムは、若く優秀な人材が豊富であり、今後の内需拡大も期待できるなど海外進出を検討する日本企業にとっては魅力のある候補先の一つです。特にホーチミン市は、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーをつなぐ主要道路網である南部経済回廊上に位置し、周辺国とのアクセス性に優れるほか、東南アジア有数の産業集積が進む注目のエリアとして評価されています。
ベトナムの2024年営業利益見通しは、50.4%が「改善」を見込み、「悪化」は9.2%だったという調査結果も、日系企業のベトナム事業への期待の高さを示しています。
セミナー詳細と注目される協力分野
今回のセミナーは2025年11月10日(月曜日)午後2時30分から午後4時30分まで、STATION Ai 3階 セントラルラウンジで開催される予定です。主催はホーチミン市貿易・投資促進センター、共催は愛知県、後援は独立行政法人日本貿易振興機構となっています。
プログラムには、ベトナムの投資環境と事業環境の紹介、ホーチミン市の投資環境説明、文化投資プロジェクトの紹介、日本・ベトナムの観光発展の可能性、裾野産業における協力促進の可能性などが含まれており、多角的な経済協力の展望が示される予定です。
大村秀章知事は、2016年のホーチミン市との覚書締結時に「愛知県とホーチミン市の双方が更に発展していけるよう、経済面に加え、文化、人的交流を含めた地域レベルの友好関係を構築し、関係の強化を図っていきたい」と述べており、今回のセミナーはその具体化の一環と位置づけられます。
投資環境の変化と日系企業の課題
一方で、ベトナムへの投資には新たな課題も浮上しています。行政手続きの煩雑さや法制度の未整備・不透明な運用に関するリスクが2019年から2023年にかけて大きく上昇し、前年から高止まりの状況にあります。
各許認可の手続きにおけるトラブルや、行政関係者からの非公式手数料の要求などを経験する企業もあり、投資環境の改善が求められている状況です。しかし、ベトナム政府も改善の必要性を認識し、2025年に大規模な政治・行政機構の再編などを通じて業務効率化と成長の加速を目指す方針を示しており、今後の改善が期待されます。
また、現地調達について「拡大」と回答した企業は50.9%とASEAN平均37.7%を大きく上回り、ASEANでトップとなっており、ベトナムでの事業拡大に対する日系企業の意欲の高さがうかがえます。
今後の展望と経済効果
2024年のベトナムの実質GDP成長率は約7.1%となり、2025年の政府目標は8.0%以上とされており、ASEAN諸国の中でも高い成長を維持している状況です。中国からベトナムへの生産移管について、ベトナムは、米国のトランプ新政権の対中国政策が追い風となり、さらに加速することを期待されており、チャイナプラスワンとしての役割も拡大する見込みです。
愛知県としては、進出企業支援窓口としてのサポートデスクの設置や投資セミナーの開催などをベトナム政府と連携して行い、県内企業のベトナムへの進出を支援しており、今回のセミナーもその一環として位置づけられます。
今回のセミナーを通じて、愛知県内企業にとってベトナム・ホーチミン市は単なる製造拠点ではなく、成長する消費市場への参入拠点としても重要な意味を持つことが確認される見込みです。特に裾野産業での協力促進により、愛知県が持つ製造業の技術力とベトナムの成長ポテンシャルを組み合わせた新たなビジネスモデルの創出が期待されています。