2025-10-08 コメント投稿する ▼
愛知県、ムスリム誘客へ「世界中のムスリムへ魅力発信」始動
大村秀章知事率いる愛知県は、イスラム教徒旅行者の誘致を目的とした新たな取り組み「**世界中のムスリムへ愛知県の魅力を伝えよう! 今後増加が見込まれるムスリム旅行者に向け、愛知県の観光地やハラル対応情報を多言語で発信することで、観光振興と地域交流を図る狙いだ。
ムスリム誘客へ、大村知事の愛知県が新施策
大村秀章知事率いる愛知県は、イスラム教徒旅行者の誘致を目的とした新たな取り組み「世界中のムスリムへ愛知県の魅力を伝えよう!キャンペーン」を開始した。今後増加が見込まれるムスリム旅行者に向け、愛知県の観光地やハラル対応情報を多言語で発信することで、観光振興と地域交流を図る狙いだ。
SNSを活用し、世界のムスリムに発信
このキャンペーンは、InstagramやTikTokで愛知県の魅力を伝える投稿型企画である。テーマは「世界中のムスリムへ向けて、愛知県で体験した観光・食・文化などを紹介すること」。投稿対象は県内で自ら撮影した写真や動画に限られ、日本国内在住のムスリムを中心に、誰でも参加できる。投稿言語は日本語・英語・インドネシア語・アラビア語・マレーシア語のいずれも可で、募集期間は2025年10月1日から12月31日まで。抽選で景品が贈られるなど、県はSNSを通じて草の根的な情報発信を促す考えだ。
「異文化を尊重する姿勢が感じられて良い」
「ハラル対応の店がもっと増えると助かる」
「動画を通して実体験が伝わるのは面白い」
「愛知県の観光地がイスラム圏で知られるのは良い機会」
「税金を使うなら透明性も必要だと思う」
愛知県のムスリム対応と今後の課題
愛知県はすでに、県内のモスクやハラルレストラン、礼拝スペースをまとめた「ムスリムツーリストマップ」を整備している。また観光ガイド「Aichi Now」では、礼拝時間や飲食店情報を英語・アラビア語などで発信しており、外国人旅行者の利便性向上を図っている。
一方で、ハラル認証を受けた飲食店は依然として限定的であり、案内表示や対応マニュアルの統一も課題として残る。礼拝室や足洗い場の整備も一部地域にとどまっており、受け入れ環境の均質化が今後の焦点だ。
ポピュリズム外交的懸念と政策の持続性
今回のムスリム誘客策は、多文化共生の推進として評価できる一方で、宗教的背景を持つ特定層を対象とする行政施策としての慎重さも求められる。観光振興が名目であっても、政治的パフォーマンスに偏れば「ポピュリズム外交」との批判を招きかねない。
人気取りに終始するのではなく、礼拝施設の常設化、飲食・宿泊現場での運用徹底、スタッフ研修など、具体的な受け入れ基盤の整備が不可欠である。形式的な「おもてなし」ではなく、長期的な制度化が信頼を生む。
アジア競技大会を見据えた展望
2026年に名古屋で開催予定のアジア競技大会では、多数のムスリム選手・観光客の来訪が予想される。愛知県がこの機会を持続的な観光振興の契機とするには、短期的な誘客キャンペーンに留まらず、自治体・事業者・住民が協力して受け入れ環境を整備することが重要だ。
観光地としての魅力を広報するだけでなく、実際に「安心して滞在できる環境」を提供することこそが、国際的信頼につながる。愛知県が単なる人気取り施策を越えて、実効性ある戦略へと昇華できるかが問われている。