2025-11-12 コメント投稿する ▼
杉尾秀哉氏が生活保護違法引き下げで高市総理追及 片山大臣発言を問題視
杉尾氏が最も問題視したのは、片山財務大臣氏をはじめとする自民党有力政治家の発言が生活保護への社会的偏見を助長し、2013年の基準引き下げの政治的背景となったことです。 受給自体や水準への批判ではない」と弁明しましたが、杉尾氏は当時の一連の発言が社会的偏見を生み出したと厳しく指摘しています。
杉尾氏は質疑で、生活保護、教育勅語・憲法改正・河野談話、総務省文書問題・森友文書問題、太陽光パネル・リサイクル義務化法案という幅広いテーマを取り上げました。特に力を入れたのは生活保護問題で、片山財務大臣氏が2012年当時に「ホームレスが糖尿病になるという状況。生活保護は生きるか死るかのレベルの人がもらうもの」と発言したことを問題視し、強い反省を求めました。
「生活保護への偏見がひどすぎます」
「政治家の発言で自殺した人もいるんです」
「不正受給なんて0.3%しかないのに」
「本当に困っている人が受給できない状況です」
「政治が貧困を作り出している」
自民党キャンペーンが引き金となった違法引き下げ
杉尾氏が最も問題視したのは、片山財務大臣氏をはじめとする自民党有力政治家の発言が生活保護への社会的偏見を助長し、2013年の基準引き下げの政治的背景となったことです。片山氏の「私の発言でご不快な思いをされた方がいたら申し訳ない」という答弁に対し、杉尾氏は「不快な思いなどということではなく、傷つき・自殺された方も出た事態であり、尊厳に関わる問題だ」と激しく反駁しました。
2025年6月27日の最高裁判決は、2013年から2015年にかけて行われた生活保護基準引き下げを違法と断定しています。この引き下げにより平均6.5%、世帯によっては10%という戦後最大規模の削減が実施され、約200万人の受給者が影響を受けました。杉尾氏はこの違法な政策決定の政治的背景を厳しく追及したのです。
高市総理氏も2012年8月にブログで「偽装離婚などによる生活保護費の不正受給を例に、道徳心なき行為が福祉医療制度を後退させている」と発信していたことを杉尾氏は問題視しました。総理氏は「不正受給への対策を訴える意図だった。受給自体や水準への批判ではない」と弁明しましたが、杉尾氏は当時の一連の発言が社会的偏見を生み出したと厳しく指摘しています。
不正受給は全体の0.3~0.4%という現実
杉尾氏は統計データを示し、不正受給は全体の0.3~0.4%に過ぎないという事実を強調しました。その一方で、生活保護受給は受給資格があるにもかかわらず、社会的偏見や誤認識によって受給を控える人が多い実態を指摘。「そうした中で本当に厳しい思いをされている人がたくさんいる」と訴えました。
実際に生活保護の捕捉率は約2割程度とされており、受給要件を満たしていても保護を利用できずに最低生活費以下での生活を強いられている人々が多数存在します。杉尾氏は「当時の一連の自民党有力政治家の発言が生活保護への偏見を生んで生活保護基準の引き下げにつながり、貧困を再生産させてきた」と断言しました。
この指摘は重要な意味を持ちます。政治家の発言が社会的偏見を助長し、それが政策決定に影響を与え、最終的に司法によって違法と判断されるという一連の流れを明確に示しているからです。
政府の消極的対応に強い不満
杉尾氏は最高裁判決を受けた政府の対応についても厳しく追及しました。7日の衆院予算委員会で高市総理氏が生活保護基準引き下げについて「深く反省し、お詫びしたい」と述べた点を取り上げましたが、片山大臣氏は「内閣の一員として同様の立場」と述べるにとどまりました。
原告側が改定前基準との差額の全額支給を求めているにもかかわらず、政府が再び減額改定案を検討している点についても杉尾氏は強い不満を表明。全額支給を求めましたが、高市総理氏は専門委員会で議論をしている旨を答弁するにとどまり、具体的な救済策は示されませんでした。
厚生労働省は最高裁判決後、全額ではなく一部補償にとどめる方向で調整に入ったとされており、原告側との間で新たな対立が生まれる可能性があります。杉尾氏の追及は、司法が違法と断じた政策について、政治がどう責任を取るかという根本的な問題を提起しています。
杉尾氏の質疑は、単なる過去の発言追及にとどまらず、政治家の言葉の重みと社会への影響力、そして司法判断に対する政治の責任を問う重要なものでした。物価高対策として財政出動や減税が一刻の猶予も許されない状況下で、最も支援を必要とする人々への配慮が政治に求められています。