2025-10-04 コメント投稿する ▼
石原伸晃氏が語る小泉進次郎氏敗因 5分間の演説が明暗を分けた理由
石原氏は「あの5分間の演説が明暗を分けた」と述べ、小泉氏の最終演説が支持を広げる機会を逃したと分析した。 石原氏は小泉氏の演説について、「小泉節」と呼ばれる独特のリズムや訴求力が影を潜めたと指摘した。 党内では「小泉氏の演説が響かなかった」「何をしたいのかが伝わらなかった」という評価が広がった。
石原伸晃氏、小泉進次郎氏の「敗因」を分析
自民党総裁選(2025年10月4日)で高市早苗前経済安全保障担当相(64)が新総裁に選出され、小泉進次郎農林水産相(44)は決選投票で敗れた。この結果を受け、6月に政界を引退した自民党元幹事長の石原伸晃氏(68)がラジオ番組で小泉氏の敗因を語った。
石原氏は「あの5分間の演説が明暗を分けた」と述べ、小泉氏の最終演説が支持を広げる機会を逃したと分析した。
石原氏は、ニッポン放送の番組で「まさか、あんな演説するとは思わなかったな」と苦笑いを浮かべたという。彼によれば、決選投票直前の演説で小泉氏は内容を控えすぎた。「やっぱり政策がないもん」「聴衆が聞きたかったのは“この国をどうするか”という明確なメッセージだった」と指摘した。
「聞きたくないもん、誰も」―小泉節が消えた演説
石原氏は小泉氏の演説について、「小泉節」と呼ばれる独特のリズムや訴求力が影を潜めたと指摘した。
「この国をどうするか、ここまで封印してて2位に入ったんだから『私はこうやるぞ!』って言えばよかったんですよ」
「選挙管理委員会の皆様ありがとうございました…そんなの聞きたくないもん、誰も」
「やっぱりねえ、政策ないもん」
「彼は拍子があるんですよ。お父さんとはまた違うがリズムがある」
「でも今回はそれがなかった。ディフェンシブになり過ぎた」
この5分間のスピーチは、決選投票の直前に行われ、党内外の視線が最も集まる場だった。小泉氏が慎重姿勢を崩さず、あえて政策論争を避けたことで、結果的に高市氏の「具体的政策提示」との対比が鮮明になった。
高市氏との“明暗”と、石原氏の経験
石原氏は自身の総裁選経験を踏まえて「最終演説は非常に重要だ」と述べた。
2012年の総裁選では、安倍晋三氏と石破茂氏が決選投票に進んだ際、演説の内容で安倍氏が上回ったという。「安倍さんは何をやりたいかを的確に言った。経済にフォーカスしていた」と回想し、政策を端的に示す力が勝敗を左右したと語った。
石原氏は続けて、「小泉さんは何でもいいんですよ。環境でも社会保障でも農業でも。『食料自給率を6割にする!』って言えば、それだけで印象に残った」と具体的な助言を口にした。小泉氏は農相として農政改革や気候変動対策に取り組んできたが、演説ではその成果を十分に語らなかった点を惜しむ声が多い。
政策不在の印象と支持低下
今回の総裁選では、初回投票で高市氏が党員票を制し、決選投票でも議員票の一部が高市氏に流れた。党内では「小泉氏の演説が響かなかった」「何をしたいのかが伝わらなかった」という評価が広がった。
政治評論家の間でも、「小泉氏は感情に訴えるスピーチは得意だが、政策を論理的に展開する場では弱さを見せた」との指摘がある。短く印象的な言葉で聴衆を引きつける力が、政策論争の場では裏目に出た形だ。
石原氏の言葉は厳しいが、的を射ている。総裁選は理念と政策を明示する舞台であり、言葉の空白は即ち信頼の空白でもある。小泉氏は過去の人気や話題性で優位に立っていたが、最終局面では政策的中身が求められた。沈黙と慎重さが、結果として敗北につながったとみられる。
今後への影響と自民党内の課題
石原氏は最後に「最終演説の重要性は、自分の経験からも痛感している。最後の5分で情勢が変わることもある」と語った。
今回の敗戦は、小泉氏個人の今後の政治活動にも影響を与える可能性がある。党内での発言力が一時的に低下することは避けられず、再起のためには政策面の厚みを示すことが不可欠だ。
一方で、石原氏は「小泉氏は素材としては非常に優秀」とも述べており、今後の成長に期待を寄せた。総裁選の結果が本人にとって反省と再構築の契機となるかが注目される。
高市新総裁の下、自民党は経済再生と憲法改正を中心に掲げる方針を固めつつある。小泉氏がその中でどのように存在感を示すかが、次の焦点になる。