2025-07-15 コメント投稿する ▼
宮城県が参政党・神谷代表に抗議文 「水道外資売却」発言は事実誤認と指摘 選挙演説での不正確な主張に波紋
「水道は外資に売られた」発言に、宮城県知事が異例の抗議
7月13日、参政党の神谷宗幣代表が仙台市での参院選応援演説中に、「宮城県は水道を民営化し、外資に売った」と発言したことを受け、宮城県の村井嘉浩知事は15日、神谷代表に対して正式な抗議文を提出した。
村井知事は、「県民に誤解と不安を与える極めて不適切な発言であり、訂正と謝罪が必要」と強く反発。19日までに参政党としての正式な対応を求めている。
神谷代表は演説で「インフラ整備を積極財政で行うべきだ。水道の民営化は誤り。なぜ外資に売るのか」と発言。これに対し県は、「宮城県の水道事業は完全民営化ではなく、施設の所有権は県にある。運営と維持管理を民間企業に委託する官民連携方式であり、外資への売却という事実は存在しない」と説明している。
「神谷さんの言い方、ちょっと雑すぎたと思う」
「これは選挙向けの煽り。事実を確かめないのは無責任」
「水道を“売った”はさすがに言い過ぎ。官民連携は全国でもやってる」
「宮城県がきちんと反論したのは評価できる」
「こういう発言が、県民の不安を煽るんだよね」
“完全民営化”ではない 宮城県が示す官民連携の実態
宮城県が実施している水道事業の手法は、「コンセッション方式」と呼ばれるもので、公共施設の所有権を自治体が持ちつつ、運営や維持管理を民間に委ねる方式。これは公共サービスの効率化や、人口減少に対応した安定的運営のために導入されており、同様の方式は他の自治体でも採用されている。
県は「運営企業に外資系が一部出資しているのは事実だが、最大株主は日本企業であり、資産の譲渡や“売却”ではない」と強調。むしろ住民サービスの持続性を担保する制度設計であると反論している。
選挙戦での発言が地域に与える影響とは
地方行政にとって、国政選挙中の政党幹部の発言が持つ影響力は決して小さくない。特にインフラや生活に直結する分野では、一つの誤解が住民の不信感や誤情報の拡散に直結する。
今回の発言も、実際の仕組みを十分に理解せずに「外資売却」というセンセーショナルな言葉だけが拡散されたことに、関係者からは懸念の声が上がっている。
また、抗議を受けた参政党側は現時点で公式な反論や訂正を行っておらず、今後の対応が注目される。選挙戦の中で語られる言葉が、どれだけ事実に即しているか――それは候補者や政党の信頼性を測る試金石となる。
「事実に基づく政治論争を」知事の姿勢に評価も
宮城県が迅速に抗議文を出した背景には、誤解の拡大を防ぎ、事実に基づいた議論を重視する姿勢がある。「行政が一方的に攻撃される構図」はこれまでも多く存在してきたが、今回は明確に反論し、訂正と謝罪を求めたことで、「説明責任を果たす姿勢が見えた」と一定の評価も寄せられている。
とはいえ、制度に関する理解が国政レベルの政党代表からも不十分なまま発言される現状には、「もっと丁寧な情報発信を」という根本的な問題も残る。選挙は政治家の“信念”を語る場であると同時に、“事実”をもとに論じる場でもあるべきだという原点が、あらためて問われている。