2025-10-13 コメント投稿する ▼
自民“高市総裁辞任/再選論”に佐藤正久氏が激怒
自民党の現状が混迷を深めるなか、2025年10月12日に衆議院議員の船田元氏が自身のフェイスブックで、「高市早苗総裁辞任→総裁選をやり直すべき」との持論を披露した。 船田氏は公明党の連立離脱表明を受け、自民党の対応が不十分との懸念を示した上で、政権運営が見通せない場合には総裁を交代する刷新案を提示した。
政局に揺れる自民党 “総裁交代論”が党内亀裂を露呈
船田元氏の“再選論”提起
自民党の現状が混迷を深めるなか、2025年10月12日に衆議院議員の船田元氏が自身のフェイスブックで、「高市早苗総裁辞任→総裁選をやり直すべき」との持論を披露した。船田氏は公明党の連立離脱表明を受け、自民党の対応が不十分との懸念を示した上で、政権運営が見通せない場合には総裁を交代する刷新案を提示した。
船田氏は投稿で、まず「公明との連立離脱はショック」との見方を示し、続けて「首相指名選挙など今後の展開に見通しが立たない」状況も視野に入れると述べた。そして、当面は石破茂首相に留任してもらう“総総分離”案に触れ、これが難しいなら高市総裁に一度退いてもらい、新体制で連立含む政権設計を見直すべきだと主張した。
この提案は、党内の保守派と現体制支持派との対立軸を鮮明にするものとなった。
“ヒゲの隊長”佐藤正久氏が激しく反論
これに対して、前参議院議員で「ヒゲの隊長」の愛称を持つ佐藤正久氏が13日、自身のX(旧ツイッター)で反論を展開した。佐藤氏は、船田案を「ズレまくり、夢想にもならない」と断じ、石破氏を名指ししながら「石破総裁では解党的出直しにならない」「政治とカネの問題でこの一年、ほとんど結果を出してこなかった責任者は石破総裁」と厳しく批判した(報道より)。
この強い表現は、単なる異論を超えて党内亀裂を露呈するものと受け止められている。
党内勢力の対立と潮目
こうした議論は、表向きは政策や体制論の争点に見えるが、根底には誰を次のリーダーとするかという党内勢力の綱引きがある。
高市氏を支持する保守派からは、船田案は現実の足場を無視した理想論だという反発が強い。改革志向、あるいは体制刷新を目指す議員には、船田案が“空想的だが一石を投じる発言”と受け取られる構図だ。
もっとも、提案の実現可能性は低い。総裁辞任と再選という極めて異例の手続きを党組織・支持基盤のなかで速やかに進めるのは困難だ。現行の総裁選制度にも、党執行部・派閥調整の壁が存在する。
一方で、再選論を巡る応酬そのものが、党としての意思統一力や統治機構の弱さを国民に印象付けかねない。今後、議論が「政争」へと性格を移せば、政策停滞や支持離れを招くリスクは無視できない。
見通しと論点整理
船田元氏が提示した総裁再選論は、政局混乱への焦りと内部変革欲求が混ざった発言だ。ただし実効性の観点からは現時点で薄い。
佐藤正久氏らの反発を含め、今回の論争は党内分裂の先行指標として機能しうる。自民党は党内調整と統一性を失えば、支持者・国民からの信頼を一層失う可能性がある。
政権中枢を担う者は、党の将来を意図的に分断するのではなく、政党としての再起構想を提示し続ける責任がある。発言は時に過激でも、目指す方向性は「党再建」にほかならない。