2025-07-24 コメント投稿する ▼
森雅子元法相に「当選御礼」掲示の公選法違反疑惑 事務所が謝罪し即時撤去
「当選御礼」は公選法違反?掲示の事実が判明
7月の参院選で福島選挙区から4選を果たした森雅子元法務大臣の選挙事務所に、「当選御礼」と明記された貼り紙が掲示されていたことが判明した。この貼り紙は公職選挙法に抵触するおそれがあり、専門家や市民から問題視されている。
問題の貼り紙は、森氏の郡山市の選挙事務所に掲げられていたもので、「皆様の厚いご支援に心より感謝申し上げます 森まさこ」との文言が赤文字で書かれていた。森氏の事務所は「支持者が持参したものをそのまま貼ってしまった」と説明し、指摘を受けてすでに撤去済みだとしている。
当選あいさつの制限と法の趣旨
公職選挙法では、候補者が選挙後に「当選のお礼」などを文書で掲示・配布することを原則禁止している。これは、金銭や物品などを通じた「事後買収」への懸念が背景にある。選挙後のあいさつが実質的な利益供与の手段と見なされ、フェアな選挙を脅かす可能性があるためだ。
法務省OBである森氏にとって、公選法の規定は当然に理解されているべき内容であり、その事務所で発生した今回の問題には、有権者から厳しい目が向けられている。
「元法相がこのルールを知らなかったは通らない」
「森さん本人が知らなかったでは済まされない話」
「こういうことが繰り返されるから政治不信が広がる」
「誤解だとしても、元大臣ならもっと慎重であるべき」
「“ありがとう”の気持ちは口頭か手紙にして欲しい」
森事務所の説明と市民の疑念
森氏の事務所によれば、問題の貼り紙は20日夜、後援会関係者が持ち込んだもので、森氏本人は知らなかったという。しかし、掲示された場所が選挙事務所の入り口であったことや、「御礼」の文言が赤字で目立つように書かれていた点などから、意図的だったのではとの疑念も払拭されていない。
福島県選挙管理委員会は「当選御礼の貼り出しは公選法で認められた答礼などには該当しないが、個別の事例については判断できない」としており、違法性の有無については明言を避けている。
一方で、公選法では、信書(はがきや手紙)やウェブサイトでの当選報告は容認されており、貼り紙などの文書図画による掲示・配布は厳格に禁止されている。この違いがあまり知られていないことも、混乱を招く原因となっている。
政治家の「公選法軽視」がもたらす信頼の損失
森氏は2007年に初当選し、法務大臣や女性活躍担当大臣などを歴任してきた。今回で4期目となるベテラン議員だ。その森氏の陣営で、基本的な公職選挙法のルールが守られていなかったことに対し、「ベテランこそルールを厳守すべき」という声が広がっている。
今回の一件は、たとえ形式上のミスであっても、有権者との信頼関係にひびが入るリスクを伴う。法の番人を経験した人物の選挙活動においてこそ、より厳格な遵法精神が求められるのは当然だ。謝罪だけで終わらせるのではなく、再発防止のための明確な対策と説明責任が求められている。
また、こうした事例があるたびに、公選法自体の曖昧さや適用の不統一性も浮かび上がる。法改正や基準の明確化を含め、政治家と有権者の間に透明性を取り戻す必要がある。