2025-07-09 コメント投稿する ▼
奈良県教員採用試験で7問に出題ミス 漢字誤記も「引き継ぎ不十分」と県教委が陳謝
奈良県教委で教員採用試験に7件の出題ミス 漢字の誤りも「引き継ぎ不十分が原因」
奈良県教育委員会が9日、令和8年度(2026年度)実施の公立学校教員採用試験において、7件の出題ミスがあったことを明らかにした。受験者951人全員の回答を正答扱いとする異例の対応となった。県教委は、「教育に対する信頼を損ねるものであり、深くおわびする」と陳謝した。
小中高校すべてに影響 「語句や漢字の誤り」で信頼揺らぐ
問題のあったのは6月14日に行われた1次試験で、小学校、中学校、高等学校の教職教養や専門分野(高校・情報)において、漢字の誤記や語句の誤りが含まれていた。
最初のミスは採点中に職員が気づき、全体を点検したところさらに5件のミスが判明。さらに外部からの指摘で1件が追加され、合計7問で誤りがあったことが分かった。
採用試験は昨年10月から今年6月までの間、教育委員会職員約70人によって作成されたが、県教委は「人事異動の影響で引き継ぎが不十分だった」とミスの背景を説明している。
点検不足と組織の綻び 「人手かけてこれ?」との声も
教員の採用試験は、将来の教育現場を担う人材を選ぶ重要なプロセスであり、正確性が強く求められる。にもかかわらず、複数の誤りが内部点検でも見逃され、最終的には外部からの指摘が必要だったという対応のずさんさに、県民からも不安の声が広がっている。
「これで教員の質を問うって…まず出題者の質を見直して」
「職員70人も関わってこれ?なんのための点検」
「教育委員会が誤字ってるって、シャレにならない」
「受験者がかわいそう。人生かかってる試験なのに」
「人事異動で引き継ぎ不足って言い訳になってないよ」
とくに、教員採用試験という公的かつ厳格な場でのミスは、採用される側・教えられる側双方への影響が大きい。受験者の不信感はもちろん、教育そのものの信頼性にも直結する問題だ。
教育の土台が揺らぐ「管理不備」再発防止策は本気か
奈良県教委は、「再発防止を徹底する」とするが、今回のように多数のミスが“人事異動による引き継ぎ不足”というあいまいな理由で説明されること自体、根本的な体制の甘さを露呈している。
本来であれば、出題者のチェック体制や外部による監査、問題文の二重三重の確認工程など、制度としてミスが起きにくい設計が求められているはずだ。
また、教育現場では子どもたちに「正確性」「誠実さ」を求める立場にある以上、その教師を選抜する側のミスには特に厳しい目が注がれるのは当然である。
今回の事態を「単なるヒューマンエラー」として片付けるのではなく、教委全体の業務プロセスと責任の所在を徹底して見直すことが不可欠だ。
受験者と教育現場への信頼回復はどこから始めるのか
951人もの受験者が、「正解かどうかに関係なく正答扱い」とされる事態は、実力が正当に評価されたのかという根本的な疑念も生む。今後の二次試験、さらには採用後の研修・現場配属に至るまで、県教委には誠実で透明な対応が求められる。
教育は社会の根幹だ。だからこそ、その入口となる採用試験の運営には、ミスのないことが最低条件となる。県教委の本気の反省と改善を、県民も、受験者も、全国の教育関係者も注視している。