2025-05-30 コメント投稿する ▼
奈良・西大寺「開かずの踏切」渋滞対策、県が政府要望見送り 協議難航でシミュレーション調査へ
西大寺駅「開かずの踏切」問題、奈良県が政府への要望見送り
奈良市の近鉄大和西大寺駅周辺に位置する「開かずの踏切」を巡る交通渋滞対策について、奈良県が来年度の政府予算への要望項目から除外することが明らかになった。これは、奈良市や近鉄と十分な協議が進んでいないことを理由としたもので、山下真知事が5月30日の記者会見で表明した。
県は今年度、現地の交通状況をもとにしたシミュレーション調査を実施する方針で、これにより高架化の効果や必要性を数値的に示し、市側の理解を得たい考えだ。
3者協議進まず、足踏み続く
この「開かずの踏切」問題について、奈良県は2020年度以降、政府への最重点要望項目として取り上げてきた。だが、奈良市と近鉄を交えた三者協議会は2023年に2回開かれたのを最後に、以降は開催が途絶えている。
県側は、高架化を進めれば交通の円滑化だけでなく、安全性の向上や周辺地域の開発促進にもつながると主張している。しかし、こうしたビジョンを実現するには、奈良市の同意と積極的な関与が不可欠だ。
調査結果で「説得力ある材料」を
山下知事は会見で、「高架化は必要と考えているが、市の理解なくしては進められない。だからこそ、まずは調査で示す」と述べ、実証データをもとに市との議論を深めたい意向を示した。
また、「高架化で周辺の道路や駅北側の環境が一変する可能性があることも、県としてしっかり伝えたい」と語り、単なる踏切解消策にとどまらず、まちづくり全体への波及効果も念頭に置いていることを強調した。
ネット上では賛否が交錯
この知事の方針変更に対し、SNSではさまざまな声が寄せられている。
「また後回しか…。毎朝この踏切で足止め食らってる身としては正直がっかり」
「高架化には莫大な費用がかかるし、優先順位を見直すのもアリだと思う」
「シミュレーションで成果が出れば、市も動かざるを得ないはず」
「協議会が再開されない限り何も変わらない。市はもっと前向きに関わるべき」
「北口再開発とセットで動けば街の未来が変わる。大きなビジョンを描いてほしい」
今後の焦点は「実証」と「合意」
今後、県は調査結果を基に奈良市と再協議を模索し、高架化を含む包括的な対策の具体化を図るとみられる。周辺住民の生活に直結する課題であるだけに、自治体間の連携と合意形成がカギを握る。
なお、県内では「住民説明会」などの実施も求める声が上がっており、今後は市民参加型の議論が必要不可欠となるだろう。