2025-12-01 コメント投稿する ▼
奈良・大和西大寺駅高架化で県市が1000億円負担巡り激突、年内会議が打開の鍵
大和西大寺駅周辺では交通渋滞が深刻な問題となっており、駅から最も近い「菖蒲池第8号踏切道」は遮断時間が1時間当たり最大51分という「開かずの踏切」状態が続いています。 ここに行く車が踏切を通っているわけだから、大和中央道ができても大和西大寺駅周辺に流れてくる車の数が減るとは到底思えない」と反論し、高架化の必要性を強調しています。
奈良県の山下真知事が近鉄大和西大寺駅の高架化問題で年内に奈良市や近鉄との検討会議開催を発表しました。新たな協議体の名称は「大和西大寺駅周辺の渋滞踏切道対策を検討する会議」で、年内にも初会合を開く方針ですが、概算事業費は約1000億円で、県は国と近鉄の負担分を除く約380億円を市と折半したい考えを示している中で、奈良市との対立は深まる一方です。
「開かずの踏切」問題の深刻化
大和西大寺駅周辺では交通渋滞が深刻な問題となっており、駅から最も近い「菖蒲池第8号踏切道」は遮断時間が1時間当たり最大51分という「開かずの踏切」状態が続いています。東西に走る線路・踏切により、まちが南北に分断されており、「開かずの踏切」等では、歩行者、自転車、自動車の安全性・利便性が問題となっています。
この問題を解決するため、3者は2021年3月に地方踏切道改良計画を作成し、同駅の高架化で踏切を除却するなどして渋滞を解消する計画を進めてきた経緯があります。しかし2023年に計2回の3者協議会を開催したが、費用面の課題や渋滞対策の方法に関して県と市で意見が異なり、第3回協議会の開催には至っていない状況です。
費用負担を巡る県市の激しい対立
最大の争点となっているのが巨額な事業費の負担問題で、これまでの協議で市長が費用負担に懸念を示し、自治体負担分の全額を奈良県が負担するよう提案していたことを明らかにしています。これに対し山下知事は「開かずの踏切を通過している道路は県道より市道のほうが多い。市の分まで県が全額負担することは考えられない」と強く反発しています。
「1000億円もかけて高架化するより、道路整備で迂回させる方が現実的」
「開かずの踏切は本当に迷惑、早く何とかしてほしい」
「奈良市の負担を県が肩代わりするなんて、県民として納得できない」
「他の市でも高架化してるんだから、奈良市も応分の負担をするべき」
「莫大な費用をかけても20年以上かかるなら、別の解決策を考えるべき」
一方で仲川元庸市長が8日、定例記者会見で、「平城宮跡内の(近鉄)奈良線は県が担当するとして、それ以外の事業費総額や負担割合など一切決まっていない。まずそれを見定め、どういう協力ができるか協議しようというのが市のスタンス。議論を拒否しているわけでない」と反論しており、双方の主張は平行線をたどっています。
大和中央道整備との関係で市が消極姿勢
奈良市が高架化に消極的な背景には、大和中央道の整備が進んでいることもある。大和中央道は大和西大寺駅の西側を南北に貫く都市計画道。2024年6月に近鉄奈良線北側の敷島工区が完成したことがあります。市側は今後、近鉄奈良線南側の若葉台工区も完成すれば自動車交通の流れが変わり、大和西大寺駅周辺の踏切の混雑も緩和される可能性があると考えています。
しかし山下知事は「大和西大寺駅周辺には、ならファミリーのような大きな商業施設に加え、塾や予備校、幼稚園があり、最近はオフィスビルもできている。ここに行く車が踏切を通っているわけだから、大和中央道ができても大和西大寺駅周辺に流れてくる車の数が減るとは到底思えない」と反論し、高架化の必要性を強調しています。
交渉打開への県の新戦略
協議の停滞を受け、県は令和8年度政府予算編成への最重点要望(知事要望)に盛り込むことを見送る方針を明らかにした状況となっています。山下知事は「会議を終えれば(高架化事業について正式に議論する)協議会に奈良市も参加してもらえると期待している」と述べており、今回の検討会議を突破口とする狙いです。
検討会議では、現時点でおおまかに1000億円程度とされている高架化の事業費について精緻に算出するほか、高架化による経済効果を検証することが予定されており、渋滞を解消できる程度や、高架化が実現するまでの間に渋滞を緩和できる施策についても検討する方針です。