2025-11-07 コメント投稿する ▼
維新がメガソーラー無秩序開発に慎重姿勢―奈良で計画断念も自然保護を重視
政府が大規模太陽光発電所(メガソーラー)の法的規制強化に向けた議論を本格化させる中、自民党と連立政権を組む日本維新の会は、再生可能エネルギーの導入拡大を推進する一方で、無秩序なメガソーラー開発には高市早苗首相と歩調を合わせ、慎重な姿勢を示しています。 維新は国産パネルの普及促進により、エネルギー安全保障と国内産業の育成を両立させる戦略を描いています。
維新の吉村洋文代表は2025年11月7日、記者団の取材に「自然破壊をした上でメガソーラーを設置するのは違和感があり、再生可能エネルギーの趣旨にも反する」と述べ、法的な規制を強化する考えを明確にしました。この発言は、環境保護と再生エネルギー推進のバランスを重視する維新の基本姿勢を表したものです。
エネルギー安全保障と国内産業育成を重視
維新は今夏の参院選で、エネルギー安全保障の観点から太陽光パネルの新たなサプライチェーン構築の推進を公約に掲げました。これは中国への依存度が高い現状を踏まえ、国内での生産体制構築を急ぐ方針を示したものです。世界的な脱炭素目標達成のため、太陽光発電を含めた多様なエネルギー源の活用を目指しています。
現在、日本のメガソーラー事業は中国資本による参入が目立ち、コスト競争力を背景に多くの事業を獲得している状況です。固定価格買取制度(FIT)により確実な利益が見込めることから、外資による無秩序な開発が各地で問題となっています。維新は国産パネルの普及促進により、エネルギー安全保障と国内産業の育成を両立させる戦略を描いています。
奈良県でのメガソーラー計画頓挫
維新が大阪府以外で唯一公認する山下真奈良県知事は、2024年1月に県内の防災拠点にメガソーラーを設置する計画を発表しましたが、地元住民や自民県議らの強い反発を受けました。当初は約25万平方メートルの大規模太陽光パネルを整備する予定でしたが、地元の五條市が条例で定める同意を得られないと判断し、2025年1月30日に事実上の断念を表明しました。
最終的には約2100平方メートルの小規模な非常用電源としての整備にとどまることとなり、規模は当初計画の約100分の1まで縮小されました。この経緯は、地域住民の理解を得ずに進めるメガソーラー開発の限界を示しています。
「自然破壊してまでソーラーパネル設置するのはおかしい」
「地元の同意がないまま勝手に進めるのは問題だと思う」
「再生エネルギーは大切だけど、やり方を考えてほしい」
「維新も地元の声をちゃんと聞くようになったのは良いこと」
「中国製パネルばかりじゃなく、国産を増やしてほしい」
全国で相次ぐトラブルと条例制定
メガソーラーを巡る反対運動は全国で160件を超え、建設を抑制・規制する自治体の条例も約130件に急増しています。北海道の釧路湿原国立公園付近では、メガソーラー計画に対する署名活動で11万6000件超が集まるなど、環境保護への関心の高さが表れています。
山林伐採や急傾斜地での開発による土砂災害リスク、景観破壊、生態系への影響などが各地で問題となっており、環境アセスメントの対象外であることも課題視されています。FIT制度により「ビジネスとして儲かる」状況が生まれた結果、地元との調整が不十分なまま開発が進むケースが頻発しています。
地域共生型の再エネ導入を目指す
政府は年内に経済産業省と環境省を中心とした政策パッケージを取りまとめ、種の保存法など16法令の改正・見直しを検討しています。自民党と維新の連立合意には、2026年の通常国会でメガソーラーを「法的に規制する施策を実行する」ことが明記されました。
維新は地域との共生を重視した再生エネルギー導入を推進する方針で、無秩序な開発を防ぎながらも脱炭素目標の達成を目指しています。国産パネルの普及促進により、中国依存からの脱却とエネルギー安全保障の強化を図る考えです。
今後は自治体による「促進地域」の指定や手続きのワンストップ化により、適切な場所での計画的な再エネ導入を進めることが期待されます。維新の姿勢は、環境保護と経済成長の両立という困難な課題への現実的なアプローチを示しているといえるでしょう。
維新がメガソーラー無秩序開発に慎重姿勢を示し、奈良で計画断念。自然保護重視で地域共生型の再エネ導入を目指す。