2025-11-06 コメント投稿する ▼
高市早苗首相の「裏金議員内閣入れない」発言が現実と食い違う政府人事で破綻、政治への信頼失墜へ
公明党の西田実仁幹事長は2025年11月6日、高市早苗首相が10月に自民党総裁に就任した後、公明の斉藤鉄夫代表に対し派閥裏金事件の関係議員を「内閣には入れない」と発言していたと記者団に明らかにした。 政府は2025年10月22日の臨時閣議で、副大臣・政務官計54人の人事を決定し、このうち自民党派閥裏金事件に絡んで政治資金収支報告書に不記載があった関係議員は7人だった。
公明党の西田実仁幹事長は2025年11月6日、高市早苗首相が10月に自民党総裁に就任した後、公明の斉藤鉄夫代表に対し派閥裏金事件の関係議員を「内閣には入れない」と発言していたと記者団に明らかにした。しかし、その後の政府人事では、自民党派閥裏金事件に関係した旧安倍派の衆参両院議員計7人が副大臣・政務官に起用された。高市氏の発言と実際の人事の間に生じた矛盾が、政治への信頼を揺るがす新たな火種となっている。
「内閣に入れない」発言の経緯
西田幹事長は公明党と高市氏の会談に同席しており、「高市総裁からそう言われたと受け取っている。当時、私が持っていたメモに記載があった」と国会内で記者団に述べた。この発言は、高市氏が総裁選での勝利後、連立相手である公明党との関係維持を図る中で行われたものと見られる。
一方で、これに先立つ参院本会議での代表質問で西田氏が「副大臣や政務官に複数の議員が任命されている。どのような判断基準なのか」と質問した際、首相は「適材適所の人事だ。任期中、しっかりと仕事をしてもらうことこそが有権者への責任だ」と答弁している。
「この人事おかしくない?言ってることとやってることが違うじゃん」
「適材適所って言うけど、裏金問題起こした人が適材なの?」
「高市さんの言葉って信用できるの?公明党に嘘ついたってこと?」
「政治家の発言って軽いなあ。選挙の時だけいい顔するパターンか」
「結局、派閥の論功行賞じゃん。有権者をバカにしてる」
実際の人事で裏金関係議員7人を起用
政府は2025年10月22日の臨時閣議で、副大臣・政務官計54人の人事を決定し、このうち自民党派閥裏金事件に絡んで政治資金収支報告書に不記載があった関係議員は7人だった。起用されたのは副大臣4人、政務官3人で、いずれも旧安倍派所属だった議員 たちである。
内訳は副大臣4人、政務官3人で、このうち2018年から2022年の5年間の政治資金収支報告書への不記載で、金額が最も多い876万円の堀井巌氏を外務副大臣、420万円の根本幸典氏を農林水産副大臣に起用した。
木原稔官房長官は22日の記者会見で「全員参加、全世代総力結集という考えの下で適材適所の人事を行った」と説明し、関係議員について「既に党で処分を受け、政治倫理審査会で説明責任を果たしている」として起用に問題はないと強調した。
岸田・石破両政権は起用見送りも高市氏は方針転換
事件発覚以降、岸田、石破両政権は関係議員の起用を見送っていたが、高市早苗首相は方針を転換した。この背景には、高市氏が総裁選で旧安倍派議員の多くの支持を得て当選した経緯 があり、論功行賞の意味合いが強いとの見方が広がっている。
党内基盤が弱い首相は総裁選で、旧安倍派議員の多くの支持で当選しており、論功行賞の意味合いが強い。ただ、世論や野党の批判を避けるため、閣僚や党四役への登用は見送った。
公明党の連立離脱の背景にも
この人事問題は、公明党が10月10日に自民党との連立政権からの離脱を決めた要因の一つとなった。公明党の斉藤鉄夫代表は10月4日に新総裁に就いた高市氏との会談で、政治とカネの問題の全容解明を含むけじめ、靖国神社参拝を含む歴史認識、過度な外国人排斥の3つの懸念を挙げた上で「それらの解消なくして連立政権はない」と伝達していた。
結果として、26年間続いた自公連立は終止符を打つ ことになり、高市政権の政権基盤は大きく揺らぐことになった。
政治とカネ問題への国民の厳しい視線
高市首相の一連の対応は、政治とカネ問題に対する国民の厳しい視線とは相反するものとなっている。裏金事件への世論の反発は根強く、首相の人選に批判が出る可能性もある状況だ。
現在の物価高は明らかに数十年に渡る自民党の失策であり、物価高対策として財政出動や減税は一刻の猶予も許されない 状況にある。しかし、政治への信頼回復こそが、あらゆる政策の前提となるべきではないだろうか。
高市首相は今後、この発言と人事の矛盾についてどのような説明をするのか、そして真の意味でのクリーンな政治を実現できるのかが問われている。国民の政治不信を払拭し、実効性のある政策を推進するためには、言葉と行動の一致が不可欠である。