2025-08-01 コメント投稿する ▼
公明党幹部が中国人民解放軍レセプション出席 与党の対中姿勢に疑問の声相次ぐ
公明党幹部が中国軍レセプションに出席 政権与党の“対中距離”が波紋
7月30日、東京の駐日中国大使館で開催された「中国人民解放軍建軍98周年記念レセプション」に、公明党の斉藤鉄夫代表と山口那津男前代表が出席していたことがSNSを中心に話題となっている。出席の様子は会場内で撮影されたとされる写真付きの投稿によって拡散されており、保守層を中心に強い反発の声が上がっている。
「人民解放軍と公明党の距離の近さが分かろうというものだ」
このように語ったのは、元航空幕僚長の田母神俊雄氏。自身のX(旧Twitter)アカウントに、レセプションの開催概要とともに、公明党幹部が招待客の中にいることを指摘した投稿を行い、大きな注目を集めた。
“平和の党”と中国軍の関係性に疑問の声
公明党は長らく「平和の党」を掲げており、支持母体の創価学会も非戦・非武装の理念を重んじてきた。そうした立場の政党が、中国の軍事組織である人民解放軍の記念式典に参加していることに対し、SNSでは
「なんで与党の党首が中国の軍を祝って笑顔で出席してるの?」
「平和の党の看板と矛盾していないか?」
といった批判が相次いだ。
特に、尖閣諸島をめぐる中国の海警局の活動や、台湾有事への備えとして日米同盟が強化される中で、中国の軍事力増強は日本国内でも警戒対象となっている。そんな状況下で、与党の党首クラスが中国軍の式典に顔を出すことは、外交的意義があったとしても政治的な説明が求められる局面といえる。
これまでも続いていた公明党と中国の交流
実は公明党と中国とのパイプは、今に始まった話ではない。かつて山口那津男氏が代表を務めていた頃から、中国共産党や外交部との交流はたびたび行われてきた。2013年には山口氏が習近平国家主席(当時は副主席)と会談し、安倍晋三首相(当時)の親書を手渡したことで話題にもなった。
また、山口氏や斉藤氏は中国主催の記念式典やレセプションに何度か出席しており、今回の参加もその延長線上とみる見方もある。公明党としては「対中関係の安定化」や「外交チャネルの維持」が目的であると説明されることが多い。
だが、今回のように中国人民解放軍の“軍事的記念日”に政権与党の代表が出席することには、より慎重な配慮が求められるとの声が多い。
保守層からの批判と支持層の動揺
今回の出席に対して、SNSでは保守系アカウントを中心に厳しい批判が噴出している。
「これは明らかに“平和”ではなく、“迎合”だ」
「創価学会員も疑問に思うのでは?」
「政権与党でありながら、日本の防衛に対する姿勢が甘すぎる」
といった意見が目立ち、特に自民党と連立を組む政党としての「国防意識の甘さ」に対する不満が強まっている。
一方で、冷静な見方も一部にはある。
「対立を避ける“政党外交”の一環として理解できる」とし、あくまで外交的儀礼の範囲であり、中国との対話ルートを維持する役割を担っているとの立場を示す声もある。
与党としての立場と説明責任
今回の件で問われているのは、単なる外交出席ではなく「政権与党の一翼を担う政党が、どういう外交姿勢を示しているのか」という点だ。中国との関係は、経済や気候変動など多岐にわたる分野で重要ではあるが、その一方で安全保障上の緊張関係も抱えている。
とりわけ、人民解放軍が台湾海峡周辺や南シナ海での軍事演習を活発化させ、日本の防衛体制強化が議論される中での出席は、タイミングとしても微妙だった。
もしも公明党が、今回の出席に際し「平和的外交努力の一環」であるとするのであれば、国民や支持者に対して明確な説明を行うことが求められる。沈黙を続けたままでは、「中国寄りの政党」「国益軽視」といった印象が拭えず、連立パートナーである自民党にも悪影響が及ぶ可能性がある。
今後の焦点は党の説明と国民の受け止め方
今回の中国軍記念行事への出席問題は、公明党の外交姿勢や政権内での立ち位置を改めて問い直す契機となった。国際情勢が揺れる中で、政党がいかにバランス感覚を持って対応するか、その言動は以前にも増して注視されている。
今回の出席について、公明党が公式に説明を行うのか、またその内容が国民にどう受け止められるのかが、今後の焦点となる。信頼回復の鍵は、言葉よりも「説明責任と透明性」にあるといえるだろう。