2025-05-03 コメント投稿する ▼
田母神俊雄氏がSTAP細胞騒動に再言及「米国が特許化」主張で日本の研究独立性に警鐘
田母神俊雄氏、STAP細胞めぐる米国の動きを批判
元航空幕僚長の田母神俊雄氏が5月、2014年に世間を騒がせたSTAP細胞騒動に再び言及し、米国が当時否定していた技術を後になって「特許化」したと自身のX(旧Twitter)で主張した。
「米国はSTAP細胞を否定しておきながら、今では自分たちの特許にしてしまった。日本はその研究成果を正当に扱わず、米国に屈したのではないか」
投稿の中で田母神氏はこう語り、「日本はもっと自主独立の姿勢を持つべきだ」と訴えた。
STAP細胞騒動とは何だったのか
STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)は、2014年に理化学研究所の小保方晴子氏らが発表したとされる新しい万能細胞。当時は世界的な注目を集めたが、論文に使われた画像やデータに不自然な点が多く指摘され、国内外から強い疑念の目が向けられた。
最終的に論文は撤回され、小保方氏の博士号も取り消される事態に。さらに、研究チームの中心的存在だった笹井芳樹氏が自殺するなど、騒動は悲劇的な結末を迎えた。
「米国が特許化」は事実か?
田母神氏は、アメリカがその後、STAP細胞技術を「横取り」する形で特許にしたと投稿しているが、米国特許商標庁(USPTO)の公開データベースでは、STAP細胞そのものに関する明確な特許取得の情報は確認されていない。
ただし、STAPというキーワードを含む出願や、類似する幹細胞技術に関する特許が米国内で出願されている可能性はある。こうした点を踏まえれば、田母神氏の発言は事実に基づくというより、「科学技術の主導権をめぐる警鐘」と捉えるのが適切かもしれない。
国家の研究主権をどう守るか
田母神氏が今回訴えたのは、単にSTAP細胞に関する事実認定ではなく、日本の科学研究が他国の影響を過度に受けすぎていないかという懸念だ。「日本はもっと自前で研究を評価し、守り育てる国であるべきだ」というメッセージは、研究倫理が厳しく問われる今の時代にあって、一部の人々の共感を集めている。
STAP細胞騒動から10年が経つ今、科学研究の在り方と、それを支える社会や政治の責任があらためて問われている。