2025-05-02 コメント: 1件 ▼
「JAL123便墜落の陰謀説」に田母神俊雄氏が猛反論 青山透子氏の著作と国会審議が波紋広げる
JAL123便墜落をめぐる陰謀説再燃 田母神氏「自衛隊への冒涜」と強く批判
1985年に発生した日本航空123便の墜落事故から40年。今もなお、その原因や背景について様々な憶測や陰謀説が取り沙汰されている中、元航空幕僚長の田母神俊雄氏がSNSでこう断じた。
「昨日の産経新聞に40年前の日航機墜落陰謀説が大きく取り上げられた。(中略)自衛隊が間違って民航機を撃墜するなどあり得ないことだ」
(田母神俊雄氏 @toshio\_tamogami、2025年5月2日投稿)
問題視されているのは、作家・青山透子氏の一連の著書だ。『日航123便 墜落の新事実』など、複数の著作で同氏は、自衛隊による誤射や事故後の証拠隠蔽の可能性を指摘。さらに、これら3冊が4月10日、全国学校図書館協議会の選定図書に選ばれたことが、事態を大きく動かした。
「自衛隊嫌いの人たちによって作り上げられた陰謀説なのだ」
(田母神氏)
この点は、国会でも取り上げられている。自民党の佐藤正久議員は、同日の参院外交防衛委員会で青山氏の著書に言及し、
「自衛隊に対する明白な冒涜であり、国会としても看過できない」
と主張。中谷元・元防衛相も答弁で、
「自衛隊が関与した事実はない。このような言説は断固として否定すべき」
と述べている。
一方、青山透子氏は元JAL国際線CAであり、東京大学大学院で博士号を取得したノンフィクション作家。事故の真相究明に執念を燃やし続けており、遺族らと共に裁判や情報公開請求を通じて、国家や企業の責任追及を続けてきた。
「科学的調査分析を行った結果として導かれた仮説であり、陰謀論ではない」(青山氏・産経新聞コメント、2025年5月1日)
青山氏の著書に対しては、評価も割れている。事故原因を別視点で問い直す姿勢に共感する声もある一方で、保守系メディアや専門家からは厳しい意見が多い。
「トンデモ本と言わざるを得ない。感情に訴えるだけで、証拠は乏しい」
(週刊新潮・2018年9月号)
とはいえ、JAL123便事故は単なる過去の出来事ではない。被害者520名という日本航空史上最悪の惨事は、今も多くの遺族の胸に刻まれ続けている。事実と向き合う姿勢こそが、陰謀論と現実を分ける境界線だ。
「40年経ってもなお、多くの謎が解けていない。だからこそ、あらゆる可能性を排除せず検証していく必要がある」(事故遺族・吉備素子氏)
陰謀論と事実追及のあいだで揺れる世論。自衛隊を守る声と、国家の透明性を求める声の両立はできるのか――私たち一人ひとりの冷静な思考が問われている。