2025-07-09 コメント投稿する ▼
米国の関税25%通告に立民が政府批判 石破政権の“外交敗北”を国会で追及へ
米からの関税通告、立民が声明発表
アメリカのトランプ大統領が突如、日本からの輸入品に25%の関税を課すと発表したことに対し、立憲民主党が9日に緊急の声明を発表した。声明では「交渉の成果が見えない」として、石破政権に対し国会での説明責任を強く求めている。関税発動は来月1日からとされ、日本政府にはわずかな対応猶予しか残されていない。
アメリカからの正式通知は、石破茂総理宛ての書簡というかたちで届けられた。これまでの相互関税停止措置は期限が延長されたものの、日本側の対米交渉の成果は不透明なままだ。
立憲民主党はこの状況を重く見て、党内に設置された「日米通商問題対策本部」で内閣官房・経産省の担当者から聴取を実施。その後にまとめた声明の中で、「石破政権の外交が行き詰まっている」と厳しく批判した。
「外交で譲歩ばかり、もう“交渉”とは言えない」
「25%の関税って、日本企業に死刑宣告してるようなもの」
「“遺憾砲”でアメリカが動くなら苦労しないよ」
「説明責任を果たせないなら、交渉に行く資格もない」
「関税よりも“説明ナシ”の方が日本にとって痛い」
石破政権に突きつけられた“説明責任”
声明では、「交渉が進行中という言い訳では済まされない。明確な成果や国益を国会で説明すべき」として、政府の不透明な対応を問題視した。特に今回の25%関税は、鉄鋼・自動車部品・電子機器などの主要産業を直撃する可能性が高く、企業や労働者への波及効果は甚大だ。
また立憲側は、「国内産業への打撃を無視してはならない」として、国益を守るための対策を引き続き検討すると表明。あわせて、参院選の結果次第では「より厳しい交渉姿勢で政府の尻を叩く」との姿勢もにじませた。
外交カードの乏しさにじむ日米関係
石破政権の外交戦略は、これまで「信頼関係の構築」「対話による信頼形成」を前面に出していたが、結果としてアメリカ側からの強硬な関税措置を招くかたちとなった。信頼構築が成果に結びついていない現実が浮き彫りとなったことで、「外交敗北」との批判が噴出している。
現在、日本側が有効な対抗措置を持ち合わせていないことも問題視されている。世界的な保護主義の流れの中で、WTO提訴などの手段が現実的ではない中、どこまで粘り強く交渉し、米側を説得できるかが問われている。
“国益”を掲げる野党、与党の反応は静観
立憲民主党は、「国益を死守する」と繰り返し主張し、政府へのプレッシャーを強めている。一方、自民党を中心とする与党内では公式の反応は鈍く、石破首相本人からも今回の関税発表を受けた具体的な発言はまだ出ていない。
与野党の温度差は明確で、野党側は「今こそ国益をかけた外交の真価が問われる」として選挙戦の争点化を狙っている。一部では「外交能力の劣化を覆い隠すための時間稼ぎ」とまで言われており、石破政権にとっては国内外から板挟みにされる状況だ。
関税発動まで残された時間はわずか。日本政府が本当に国益を守れるのか、その説明責任と行動力が今まさに問われている。