2025-05-30 コメント投稿する ▼
選択的夫婦別姓法案が国会審議入り 野田代表「会期内に結論を」自民の対応に批判も
28年越しの議論が前進 選択的夫婦別姓、法務委で審議入り
野田佳彦代表は5月30日、党本部での会見で「本日から衆院法務委員会で選択的夫婦別姓に関する3つの野党案が審議される」と発表した。このテーマは1996年に法制審議会が制度導入を答申して以降、長らく実現されず、多くの人が制度化を待ち続けてきた。野田氏は「限られた会期ではあるが、きちんと議論を進め、できれば結論まで持っていきたい」と意気込みを語った。
特に、自民党がいまだに党内の考えをまとめきれていない点については、「こうした重要課題で立場を明らかにできないのは無責任だ」と厳しく批判。今国会中での一定の方向性を出すよう、積極的に議論を主導する考えを示した。
なぜ今、夫婦別姓か?背景と制度の意味
選択的夫婦別姓制度とは、結婚後もそれぞれが自分の姓を使い続けられる制度で、あくまで「選択肢」を増やすものである。家庭のあり方や個人の尊重という観点から、近年その必要性が再認識されている。特に以下のような背景がある。
* 結婚によって姓を変えることへの心理的・手続き的負担が大きい。
* 女性が改姓するケースが多く、キャリアへの影響が指摘されている。
* 国際結婚や再婚家庭など、姓の多様性が進んでおり、現行制度が実情に合っていない。
* 国連からも何度も「法改正を」との勧告を受けており、国際的にも遅れが指摘されている。
法務省は、「選択制」にすることで戸籍制度は維持され、夫婦と子どもが同じ戸籍に入ることも可能と説明している。
若年層の支持広がる 制度導入は結婚を後押し?
若年層を中心にこの制度への関心は高い。ある調査では、20〜30代の約98%が「夫婦別姓が可能なら結婚しやすくなる」と回答しており、少子化対策とも絡む論点になっている。
一方で、「家族の一体感が損なわれるのでは」という懸念も根強く、一部には「現行制度を維持すべき」という声もある。2021年の内閣府の世論調査では、「今のままでよい」とする意見も少なくなかった。
とはいえ、婚姻件数の減少や少子化という日本の社会課題を前にして、制度面での柔軟性を求める声は着実に広がっている。
ネット上でも賛否両論 市民の声
SNSでも、この問題は多くの反響を呼んでいる。
「夫婦別姓、ようやく動き出したのがうれしい。誰にも不利益ないし、何が問題なの?」
「名前が変わると仕事の実績が引き継げない。制度化を早くしてほしい」
「家族は一つの名前でこそ一体感がある。子どもの混乱を招かないか心配」
「夫婦同姓は日本の文化。簡単に変えるのはどうかと思う」
「多様性の時代に、なぜまだこの議論にすらたどり着けていないのか」
こうした意見の分かれを前に、立法府としてどこまで丁寧に意見を拾いながら合意形成できるかが問われている。議論の進展は、個人の尊厳と家族の形をどう捉えるかという、社会全体の価値観の反映にもつながる。