野田佳彦氏が議席自動削減に明確反対 民主主義の根幹に疑義

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野田佳彦氏が議席自動削減に明確反対 民主主義の根幹に疑義

議席削減は本来、人口分布や民意の反映構造に基づく制度設計の議論を経て決まるべきもので、政治取引の景品であってはなりません。 野田氏はさらに、議席削減より先に政治資金の透明化を行うべきだと述べました。 国政を支える制度は次の流れで議論されるべきだと示しています。 この表現には、議席削減が政治操作に転化している現状への危機意識が込められています。

野田佳彦氏が与党提出の衆院定数「自動削減」を正面から批判


立憲民主党代表の野田佳彦氏は2025年12月6日、大分市で記者団に対し、与党提出の衆議院議員定数削減法案に強い懸念を示しました。同法案には、小選挙区25、比例代表20を削減する内容が盛り込まれ、1年以内に制度改革がまとまらなければ自動的に削る仕組みが設けられています。野田氏は「立法措置を前倒しで決めておくことは許されない」と明言し、政治の根幹を左右する議席数を機械的に減らす手法を正面から否定しました。さらに「憲法学的にも極めて疑義がある」と強調し、制度論の裏付けが欠落している危うさを明確にしました。

議席削減は「数合わせ」に過ぎず、そこに政府側の思惑が見え隠れします。野田氏は自民党と日本維新の会が連立政権合意書に「1割削減」を明記したことを踏まえ、「政権維持のために掲げただけだ」と指摘しました。議席削減は本来、人口分布や民意の反映構造に基づく制度設計の議論を経て決まるべきもので、政治取引の景品であってはなりません。

「議席が減れば政治が良くなるなんて幻想だ」
「制度の穴を誤魔化す削減なら意味がない」
「数ではなく質を問う制度に変えるべき」
「削減を先に決めるのは政治家の怠慢だ」
「形だけの改革はもううんざり」

こうした声は、国民の政治不信が根深い水準に達していることを示しています。「削ること」自体が目的化される政治ほど危険なものはありません。

野田氏の問題提起は政治資金改革と不可分


野田氏はさらに、議席削減より先に政治資金の透明化を行うべきだと述べました。企業・団体献金の受け手制限は抜本改革の基礎であり、政治が企業の利害の代行役になる構造を断つことにもつながります。政治資金規正法を後回しにしたまま議席数だけを操作すれば「改革装飾」の域を出ません。

現在、多くの政治家が政治資金を不透明に扱い、結果として政策の優先順位に歪みが生じてきました。企業側の要望が政策誘導に繋がる危険は常に存在し、献金規制を避け続ける政治は国民から信用されません。議席削減議論を先行させることは、民主主義の基盤議論から逃げる姿勢そのものです。

野田氏が示した「制度の順序」の原則


野田氏の主張の本質は「順序」です。国政を支える制度は次の流れで議論されるべきだと示しています。

①政治資金の透明化
②制度の問題点の整理
③制度設計の妥当性検証
④議席数論の位置付け

与党案はこの手順を逆転させ、④を先に固定します。これは政治制度を支える考え方として大幅に逆立ちした構造です。数を減らす前に、民意をどう反映するかという根の議論が不可欠です。

小選挙区制の結果、死票の大量発生は継続し、都市部と地方部の票価値格差も放置されています。この状況下で議席削減が強行されれば、民意の代表性がさらに損なわれる懸念が現実化します。

野田氏の発言は立憲民主党の方向性示唆にも


野田氏は政党の影響度や議席比率という「数の論理」ではなく、本来の代表制機能の維持を優先すべきだと訴えました。これは立憲民主党が掲げる政治理念と一致します。政治を「国民利益に戻す」という原点に立ち返る姿勢です。

立憲民主党の安住淳幹事長も同調し、「連立維持のための道具に過ぎないなら本末転倒だ」と述べました。この表現には、議席削減が政治操作に転化している現状への危機意識が込められています。

議席削減は構造改革の一部に過ぎず、それ単体では政治機能を向上させる仕組みにはなりません。むしろ議員数減少は少数意見排除や地域切り捨てを招く副作用があります。

野田氏が示した姿勢は、議論の出発点として筋が通っています。制度改革は国民側に立つものであり、権力維持の修飾具ではない。政治に必要なのは「減らす勇気」ではなく「正す責任」です。

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2025-12-07 10:50:17(植村)

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