2025-10-04 コメント投稿する ▼
野田佳彦氏「中道ど真ん中」発言に問われる実行力 立憲民主党は政策推進で存在感を示せるか
野田氏は、「立憲民主党は中道ど真ん中でぶれずにいく。 こうした国民の声には、立憲民主党の立ち位置が曖昧なままであることへの苛立ちが込められている。 立憲民主党も同様に、理念を語っても「何を、いつ、どう実現するのか」という具体策が欠けている。 高市新総裁が保守層をまとめ、政策推進の姿勢を明確にしたのに対し、野田氏は理念の提示にとどまり、政権を担う準備が見えない。
高市新総裁誕生に野田佳彦氏「中道ど真ん中でぶれずに」
自民党総裁選(2025年10月4日)の結果を受け、立憲民主党代表の野田佳彦氏は千葉県幕張市で取材に応じた。
高市早苗前経済安全保障担当相(64)が自民党初の女性総裁に選出されたことについて、「女性最初の自民党総裁、おめでとうございます」と祝意を述べ、「党内改革に辣腕を振るってほしい」と語った。
野田氏は「高市さんはガッツのある人。国家国民のために善政競争をしていきたい」と述べつつも、政策的には立憲民主党が対抗軸を示す立場にあるとした。
「中道ど真ん中」発言ににじむ焦り
野田氏は、「立憲民主党は中道ど真ん中でぶれずにいく。それが高市さん率いる自民党との違いになる」と強調した。この発言は穏健で現実的な政治姿勢をアピールする狙いだが、同時に党の存在意義が問われていることを反映している。
近年の立憲民主党は、政策面での主導権を握れず、支持率も低迷。安全保障・エネルギー・経済対策といった核心的課題で明確な方向性を示せていない。野田氏が掲げる「中道路線」は理念として理解される一方、現実の政治行動に結びついていないという指摘が多い。
「中道って、何をどうするのかが見えない」
「批判ばかりで政策がないのは自民と同じ」
「野党第一党なら道筋を示してほしい」
「理念より結果を出す政治が必要だ」
「高市氏が右なら、野田氏はただの中間点に見える」
こうした国民の声には、立憲民主党の立ち位置が曖昧なままであることへの苛立ちが込められている。
小泉進次郎氏との共通点
野田氏の発言は、総裁選で敗れた小泉進次郎農林水産相(44)の姿と重なる部分がある。小泉氏も人気と話題性を持ちながら、決選投票直前の演説で「政策が見えない」と批判された。
立憲民主党も同様に、理念を語っても「何を、いつ、どう実現するのか」という具体策が欠けている。
小泉氏が「言葉の力」に頼りすぎたように、野田氏も「中道」という言葉に寄りかかっている印象がある。両者に共通するのは、国民が求める“実行力”の欠如だ。
高市新総裁が保守層をまとめ、政策推進の姿勢を明確にしたのに対し、野田氏は理念の提示にとどまり、政権を担う準備が見えない。
政治評論家の間でも「立憲民主党の“中道宣言”は、耳障りは良いが中身がない」との評価が広がる。党の支持基盤が労組や地方議員に偏り、全国的な政策発信力が弱いことも課題だ。
政策を示せなければ中道は空洞化する
野田氏は、高市政権下での課題として「給付付き税額控除」「ガソリン税の暫定税率廃止」「政治とカネの問題」の協議継続を求めた。だが、これらは過去数年間に何度も議論されながら実現していないテーマである。
国民から見れば、野党第一党の責任として「提案力」と「突破力」が欠けていると映る。
立憲民主党が中道を名乗るなら、対立軸を避けるのではなく、妥協の技術で政策を動かす中道を実現しなければならない。与党批判に終始する「受け身の中道」では、政権交代の可能性すら生まれない。
党内には若手議員を中心に「もっと積極的に法案を出すべきだ」「国民が理解できる言葉で訴える必要がある」という声も出ている。野田氏がそうした意見をまとめ、行動に移せるかが試金石となる。
野党第一党としての責任と展望
高市新総裁の誕生で、国会は再び与野党の構図が鮮明になった。野田氏が「中道」を掲げ続けるなら、理念ではなく具体的な政策成果で存在感を示す必要がある。
野党第一党として、物価高やエネルギー危機、外交安全保障など多岐にわたる課題に対し、法案提案や修正協議をリードする姿勢が求められている。
立憲民主党がこの責任を果たせなければ、次の国政選挙で「選ばれる政党」にはなれないだろう。中道の旗を掲げるだけでは、政治は動かない。野田氏の発言が本気なら、今こそ実行で示すべき時である。