2025-09-28 コメント投稿する ▼
野田佳彦、国政選挙でSNS偽装投稿の有無を自民に調査要求
野田氏は、自民総裁選で表面化した“ステマ投稿要請”を国政選挙にも波及しうる問題とみなし、「国政選挙でも同様の投稿要請があったのではないか」と述べ、調査を要望した。 野田氏の要求は、疑念を調査で明らかにすることで、政治活動の透明性を高める意図を帯びている。 ネット社会において、政党や候補者がいかに公正性を担保するかは、有権者の政治不信を払拭するうえで欠かせない課題である。
野田佳彦、SNS偽装投稿調査を自民に要求
立憲民主党の野田佳彦=代表(元首相)は2025年9月28日、自民党に対し、国政選挙で一般国民を装ったSNS投稿がなかったかを調査するよう求めた。これは、自民党総裁選で小泉進次郎=現職農林水産大臣・自民党総裁候補の陣営が配信動画へのコメント投稿を要請した問題を受けたものである。野田氏は愛媛県新居浜市で記者団に対し「弊害にも光を当てなければならない」と述べ、場合によっては法改正も検討すべきだという考えも示した。
選挙における偽装投稿の問題構図と議論
野田氏は、自民総裁選で表面化した“ステマ投稿要請”を国政選挙にも波及しうる問題とみなし、「国政選挙でも同様の投稿要請があったのではないか」と述べ、調査を要望した。選挙活動におけるSNSの利用は、有権者への情報周知や投票率向上といった利点を持つ。しかし、政党や候補者側が“民間人装い”で投稿を操作すれば、有権者の判断をゆがめかねない。このような“偽装投稿”は、匿名性の高いインターネット空間で特定の印象を誘導しうるため、透明性や信頼性を大きく揺るがす。
ただし、日本国内では国政選挙における「一般国民を装った投稿」の事例が公式に確認されたわけではない。野田氏の要求は、疑念を調査で明らかにすることで、政治活動の透明性を高める意図を帯びている。
与野党応酬と信頼論争の激化
今回の要求は、与野党間の信頼論争へと直結する。野党支持層には自民党の説明責任を追及する声が広がる一方、与党側は反発を強める可能性がある。野田氏は「どなたが総裁になっても、きちんと調査してほしい」と強調しており、総裁選の争点にもつながりつつある。
一方で、この要求はブーメランとなるリスクも抱える。もし他党でも同様の行為があったと指摘されれば、与野党双方にとって痛手になりかねない。つまり、調査要求は自民党への批判と同時に、全政党の自浄作用を迫る性格を持っている。
この応酬により「政治の信頼性」が大きなテーマとして浮上している。ネット社会において、政党や候補者がいかに公正性を担保するかは、有権者の政治不信を払拭するうえで欠かせない課題である。
制度強化と法改正を見据えた論点
野田氏は、状況次第では法改正も検討すべきとの立場を示した。今後の論点は次の通りである。
* 投稿主体の認証や実名性を条件付きで義務付ける制度
* SNSプラットフォームに政治投稿の透明性報告を義務付ける制度
* 投稿操作を禁じる法律や罰則規定の明文化
* 選挙管理機関に監視権限を付与し、公開報告を徹底する仕組み
ただし、こうした制度強化には表現の自由や言論の自由とのバランスをどう取るかが重要になる。過度な規制が検閲や政治的圧力につながる懸念もあるため、社会的合意形成が不可欠である。
今回の野田氏の調査要求は、SNS時代の選挙で「見えない操作」を可視化しようとする動きである。透明性を高める取り組みが実現するかどうかは、各政党がいかに責任ある対応を示せるかにかかっている。