2025-08-29 コメント投稿する ▼
野田佳彦代表「政治とカネの不祥事は極めて遺憾」 自民党資金問題と企業献金禁止を改めて主張
野田佳彦代表 「政治とカネの不祥事は極めて遺憾」
立憲民主党(立民)の野田佳彦代表は8月29日、国会内で定例記者会見を行い、政治とカネをめぐる不祥事が相次いでいることについて「極めて遺憾だ」と強い言葉で批判した。会見の冒頭からこの問題に触れ、「残念ながらまた政治とカネの不祥事が繰り返されている。国民の信頼を著しく損ねている」と述べ、関係各党に対して厳しい対応を求めた。
今回の発言は、日本維新の会の石井章参院議員による公設秘書給与詐取疑惑や、自民党の広瀬めぐみ元参院議員に関する秘書給与不正受給事件が報じられたことを受けたものだ。さらに自民党の比例代表候補をめぐり、パチンコ店系列会社による組織的投票依頼や買収事案が発覚したことについても「徹底した解明が必要だ」と語った。
企業・団体献金をめぐる根本問題
野田代表は、繰り返される不祥事の背景には「企業・団体献金の存在」があると指摘。「政策をねじ曲げる温床となっている」と強調し、禁止に踏み込むべきだと訴えた。立憲民主党は企業・団体献金の禁止を一貫して主張しているが、自由民主党(自民党)は「公開すればよい」との立場を崩しておらず、両党の隔たりは埋まっていない。
野田代表はまた、8月4日の衆院予算委員会集中審議で、石破茂総理に「政党支部の実態調査を早急に行うべきだ」と協議を求めた経緯に触れた。しかしその後、石破総理からの具体的な進展報告はなく、「ずるずると時間が経過していること自体が信頼を損ねる」と批判。「約束の履行を改めて強く求めたい」と語った。
国民の信頼回復へ与野党の責任
政治資金をめぐる問題は過去にも繰り返されてきた。2000年代には自民党を中心に多くの政治資金規正法違反が摘発され、2009年には民主党政権下でも小沢一郎氏の資金問題が大きな議論を呼んだ。だが、その後も「政治とカネ」は永田町の根深い課題であり続けている。
SNS上でも批判の声は強い。
「結局どの党も同じ不祥事を繰り返す」
「企業献金をなくさない限り政治は歪む」
「口先で遺憾と言うだけでは国民の信頼は戻らない」
「調査や報告を先延ばしするのは不誠実だ」
「税金を負担する国民を軽んじている」
外交課題にも疑問の目
会見では、赤澤経済再生大臣の訪米中止についても質問が出た。野田代表は「直前で取りやめというのは尋常ではない事態だ」と述べ、自動車関税や相互関税に関する日米交渉の不透明さを問題視。「『いつ』下げられるのか、『いつ』修正されるのかが重要であり、赤澤大臣がまず自ら説明すべきだ」と求めた。さらに予算委員会での議論を笠浩史国対委員長と協議する意向も示した。
政治とカネの信頼回復なくして国政なし
繰り返される不祥事は、政治への信頼を根底から揺るがしている。国民は「説明責任」と「透明性」を強く求めており、政党が企業・団体献金に依存し続ける限り、疑惑は尽きない。野田代表の発言は、与党・自民党に対する批判にとどまらず、政治全体が直面する根源的な問題を突きつけている。
石破政権が「国民に寄り添う政治」を掲げるのであれば、政治資金の徹底的な透明化と、企業・団体献金の抜本的な見直しから逃げることはできない。政治とカネの改革なくして、国政の信頼回復はあり得ない。