2025-10-12 コメント投稿する ▼
辻元清美氏、公明・斉藤代表を首相候補に推す 野党再編狙うも迷走の色濃く
そんな中、立憲民主党の辻元清美参院議員が10日、X(旧ツイッター)で公明党の斉藤鉄夫代表を「首相指名候補の一人」と持ち上げる投稿を行い、波紋を広げた。 だが、立憲民主党の幹部が他党代表を“首相候補”として推すのは異例である。 だが、党内外からは「立憲の中心人物が他党の代表を持ち上げるのは筋が通らない」との批判も出ている。
辻元清美氏、公明・斉藤代表を首相候補に推す 野党再編を見据えた“動き”か
公明党が自民党との連立政権から離脱したことで、永田町の勢力図が揺れ動いている。そんな中、立憲民主党の辻元清美参院議員が10日、X(旧ツイッター)で公明党の斉藤鉄夫代表を「首相指名候補の一人」と持ち上げる投稿を行い、波紋を広げた。
「誠実な人柄」強調し、公明との接点を演出
辻元氏は、斉藤氏が記者団の前で連立離脱を表明した際の姿に触れ、「斉藤さんの誠実な人柄がにじみ出ていた」と投稿。その上で、若手議員時代にプールで一緒に泳いだエピソードや、「在外被爆者救済のための議員連盟を十数年、党派を超えて共に取り組んできた」との思い出を振り返った。
「あの頃から国会の中で斉藤さんを悪く言う人を見たことがない」
「これで野田さん、玉木さんに並んで、斉藤さんも首相指名候補のお一人になった」
と、かつての人間関係を軸に斉藤氏を評価し、首相候補にまで言及した。
だが、立憲民主党の幹部が他党代表を“首相候補”として推すのは異例である。公明との関係改善を狙った柔軟な姿勢とも取れる一方、政党としての方針の曖昧さを露呈したとも言える。
野党再編の“布石”か、それとも迷走か
辻元氏の発言は、「政権交代の現実味を帯びさせたい」という思惑の表れだと見る向きもある。
高市早苗政権に反発する勢力がまとまりきれない中、辻元氏は「野党間の壁を越える」姿勢をアピールした形だ。だが、党内外からは「立憲の中心人物が他党の代表を持ち上げるのは筋が通らない」との批判も出ている。
立憲関係者の一人は、「辻元さんらしい“バランス外交”だが、今の立憲にはまとめ役がいない。誰を首相にするかより、まず党の足並みをそろえるべき」と冷ややかに語る。
山本太郎氏「玉木さんビビってる」 野党内でも温度差
一方で、れいわ新選組の山本太郎代表は10日、長崎県内でのイベントで「高市さんで決定かなと思っていたら、野党側が玉木さんを推してきた。本人ビビってる」と挑発。
「なりたかったんちゃうの? 総理に」
「踏み込まないなら、民主党のままでよかったのでは」
と、国民民主党の玉木雄一郎代表を名指しで揶揄した。
立憲はれいわにも首相指名での協力を打診しているが、山本氏は「自民も立憲も似た者同士」と述べ、共闘には慎重な姿勢を見せている。
辻元清美という“調整型”政治家の限界
辻元氏は、野党内で「対立より協調」を重んじるタイプとして知られる。だが今回の発言は、協調を超えて“迎合”にも見えかねない。
特に、首相指名をめぐる立憲・国民・れいわ間の調整が難航する中で、党の方針を上書きするような発言は、政治的混乱を招くだけだ。
辻元氏は「党派を超えて協力することが大事」と繰り返してきたが、今必要なのは“協力”ではなく、“明確なビジョン”だ。
他党代表を推す前に、立憲がどんな政権構想を描くのか。その骨格を示さない限り、有権者の信頼は得られない。
野党の再構築を担えるのか
辻元氏の発言は、人間関係に基づいた信頼を政治の力に変えようとする試みとも言える。しかし、政治は「誰が誠実か」ではなく、「誰が責任を取るか」で評価されるものだ。
野党が政権交代を本気で目指すなら、共感よりも戦略、友情よりも理念が必要だ。
辻元氏の“首相候補推し”発言は、その矛盾を象徴している。