2025-08-07 コメント投稿する ▼
山本一太知事が石破降ろしの“静けさ”に違和感 「うねりなき辞任論」の背景とは
石破降ろしが“うねり”にならない理由とは? 山本一太知事が指摘「新しい現象」
「辞めろコールが起きないのはなぜか」群馬・山本知事が問題提起
自民党内で囁かれる「石破降ろし」が、思ったほど盛り上がりを見せていない。この異様な静けさについて、群馬県の山本一太知事が7日の記者会見で問題提起を行った。
普通なら“辞任しろ”の声がうねりのように広がる。しかし、今回は違う。不思議な現象だが、その理由を見つめるべきだ
と語り、永田町のセオリーとは異なる“異常な状況”を冷静に見つめる必要性を訴えた。
「普通は3連敗で退陣コールだが…」世論の反応に違和感
山本知事は「個人的には石破続投を願う気持ちもある」と前置きしつつも、25年の国政経験に照らして、こう述べた。
衆院選、都議選、参院選と3連敗、しかも衆参ともに少数与党に転落すれば、党内から“辞めろ”コールが一斉に巻き起こるはず
だが、7月28日の自民党両院議員懇談会でも、石破退陣を求める声と同時に「続投を望む」発言も6人からあったことに触れ、「今回の“静けさ”には何か構造的な理由がある」と暗に指摘した。
“石破だけの責任ではない”という民意 党全体に漂う不信感
世論調査では「辞任すべき」と「続投すべき」が拮抗。これについて山本知事は、
国民は“何でもかんでも石破首相のせいにするな”と思っているのではないか
と分析。その背景には、政治とカネをはじめとする問題への“党全体としての無責任な対応”があるのではと指摘した。
国民の不信感は、首相一人ではなく、自民党という組織全体に向けられている
この言葉には、党幹部や派閥の“責任回避体質”に対する警鐘ともとれる含みがある。
「石破降ろし」が“空砲”に終わるのか? 「党内の空気」も変化
永田町で繰り返されてきた“選挙敗北→首相退陣”の公式が、今回通用していない。山本氏は「新しい現象」とし、「8日の両院議員総会で総裁選の前倒しがすんなり決まるとは思えない」と慎重姿勢を見せた。
また、8月下旬を目途にまとめられる予定の「参院選総括」に関しても、
単なる責任追及ではなく、世論の空気を冷静に読み解く必要がある
と述べ、“石破一人を生け贄にする”だけでは済まされない現実があることを強調した。
“首だけ切っても意味がない”構造的な問題を直視せよ
今回の現象は、単なる“石破人気の残滓”ではない。自民党という巨大政党が抱える構造的な劣化、派閥政治の限界、そして責任の所在が曖昧なまま維持される組織文化に対する、国民の不信が噴出しているとも言える。
「首相を代えれば済む」と考える自民党幹部の思考そのものが、すでに民意とズレている。今回の“石破降ろし”がうねりにならないのは、“誰が総理か”ではなく“自民党そのものが変われるか”が問われているからではないか。