2025-10-10 コメント投稿する ▼
山本一太知事の群馬県、災害時に外国人を支援するボランティア育成へ 言葉で命を守る新講座
群馬県は2025年10月10日、みどり市で「災害時外国人支援ボランティア養成講座」を開催する方針を明らかにしました。 この講座は、災害時に言葉の壁で困る外国人を支援する人材を育成することを目的としています。 2日目は「災害時の外国人支援(第2部)」の講義と、「避難所巡回訓練」を中心とした実践的なプログラムが実施されます。
群馬県、災害時に外国人を支援するボランティア育成へ
群馬県は2025年10月10日、みどり市で「災害時外国人支援ボランティア養成講座」を開催する方針を明らかにしました。山本一太知事のもと、県内で増加する外国人住民に対し、災害時の支援体制を強化する狙いがあります。講座は、群馬県とみどり市、公益財団法人群馬県観光物産国際協会の共催で行われます。
この講座は、災害時に言葉の壁で困る外国人を支援する人材を育成することを目的としています。日本語と他の言語で日常会話ができる人を対象とし、定員は30名。参加費は無料で、県民を中心に幅広く募集が行われます。
2日間で防災知識と実践訓練を学ぶ
講座は2日間の日程で開催され、1日目は11月16日、2日目は11月30日に予定されています。会場はみどり市役所笠懸庁舎(第2会議室)およびみどり市笠懸公民館(視聴覚室・交流ホール)です。
初日の内容は、「群馬県の多文化共生と防災に関する講義」と「災害時の外国人支援に関するワークショップ(第1部)」です。2日目は「災害時の外国人支援(第2部)」の講義と、「避難所巡回訓練」を中心とした実践的なプログラムが実施されます。
「言葉が通じないことで命のリスクが高まるのは防ぎたい」
「多文化共生は平時だけでなく、災害時にも試される」
「外国人も地域の一員として守るべき存在だ」
「支援ボランティアとして登録したい」
「翻訳アプリより、人の支えが大切だと感じた」
SNS上では、今回の取り組みを評価する声が多く見られました。災害時における外国人支援を“共に生きる社会の象徴”として位置づける動きが広がっています。
言葉で命をつなぐ支援へ
群馬県によると、県内では技能実習生や留学生、外国人労働者の増加により、約8万人を超える外国人住民が生活しています。地震や豪雨災害が発生した際、避難所や行政からの情報が理解できず、適切な行動が取れないケースも報告されています。
山本知事はこれまでも多文化共生を重点政策として掲げており、今回の講座もその一環です。知事はかねてより「外国人住民も群馬の地域社会を支える大切な仲間だ。災害時には誰も取り残さない支援体制を整えることが行政の責任」と述べています。
この講座では、外国人支援の基本的な姿勢や、被災現場での通訳方法、避難所での対応事例など、実践的な内容を学びます。県は受講者を「災害時外国人支援ボランティア」として登録し、今後の災害対応に活用していく方針です。
災害と多文化共生、群馬モデルに期待
群馬県は、これまでも外国人との共生を進めるために、生活相談窓口や多言語情報発信を整備してきました。今回の講座は、その取り組みを一歩進めた形であり、「災害時にも共に助け合う社会」を実現する試みとして注目されています。
特に、避難所巡回訓練を外国人住民と合同で行うのは全国的にも先進的な試みです。参加者は、災害時に外国人がどのような困難に直面するのかを体感し、どのように声をかけ、支援すべきかを実践的に学びます。
行政関係者は「災害時の混乱は言葉の壁によってさらに深刻化する。こうした訓練を通じて、支援の現場で即戦力となる人材を育てたい」と話しています。
地域ぐるみで命を守る仕組みづくり
県は今後、講座の修了者を中心に、災害ボランティアネットワークを拡大する考えです。みどり市だけでなく、前橋市や太田市など、外国人住民の多い地域への展開も視野に入れています。
山本知事は、「多様な人々が暮らす群馬県だからこそ、共助の輪を広げていきたい」と述べました。今回の取り組みは、単なる防災訓練にとどまらず、「多文化共生」と「地域防災力」を融合させた新しい県政モデルとして期待されています。