2025-10-09 コメント投稿する ▼
群馬県、ベトナム文化交流に519万円投入 山本知事「共生の第一歩に」
山本一太知事は、来年のベトナム旧正月「テト」の時期に合わせて「ぐんまベトナム交流祭」を開催する方針を発表した。 山本知事は会見でそう語り、単なる「文化イベント」ではなく、共生社会を実現するための具体的な取り組みであることを強調した。 企画から運営までを担う事業者の募集がすでに始まっており、県は「単なるイベント業者ではなく、地域コミュニティとつながれる企業を期待している」としている。
群馬県、ベトナム文化交流に519万円投入 山本知事「多文化共生を県の力に」
群馬県が、県民と在住外国人との相互理解を深めるため、新たな文化交流事業に乗り出す。山本一太知事は、来年のベトナム旧正月「テト」の時期に合わせて「ぐんまベトナム交流祭」を開催する方針を発表した。事業費として、県予算から519万円を計上する。
ベトナム人が県内最多、背景に進出企業の増加
群馬県によると、県内の外国人住民のうち、国籍別で最も多いのがベトナム出身者だ。2024年12月末時点で、県内在住外国人の約4人に1人を占める。製造業を中心に、県内企業のベトナム進出や人材受け入れが進み、地域社会の多文化化が急速に進んでいる。
外国人が地域の中で暮らし、働き、安心して生活できる環境を整えることは、これからの群馬にとって欠かせない
山本知事は会見でそう語り、単なる「文化イベント」ではなく、共生社会を実現するための具体的な取り組みであることを強調した。
旧正月テトに合わせ、交流と学びの場を
県は、ベトナム最大の祝祭「テト(旧正月)」に合わせて交流祭を開く。会場では、ベトナム料理や民族衣装の展示、伝統舞踊、ランタン作りなどが予定され、県民が現地文化を体感できる内容となる。
また、県内在住のベトナム人にとっては、故郷を懐かしむとともに日本の友人と新年を祝える貴重な場となる。山本知事は「文化を共有することが、偏見や誤解をなくす第一歩だ」と述べた。
「日本人とベトナム人が同じテーブルでご飯を食べ、笑い合う。そこから本当の理解が生まれる」
「文化祭という形を借りた、共生の実践だ」
「行政が支えるだけでなく、民間や地域団体も一緒に作り上げたい」
「テトを通じて“違い”を楽しむ県民性を育てたい」
「県の未来を支える若い外国人が、ここで根を下ろせるようにしたい」
519万円の予算、民間連携で企画募集
今回の事業は、県が民間事業者に委託する形で行われる。業務内容には、会場設営や装飾、ステージ企画、体験コーナー、広報活動、協賛企業の募集などが含まれる。企画から運営までを担う事業者の募集がすでに始まっており、県は「単なるイベント業者ではなく、地域コミュニティとつながれる企業を期待している」としている。
予算の519万円には、広報や安全管理などの経費も含まれる。山本知事は「単発の催しで終わらせず、毎年続く地域の文化行事として定着させたい」と話している。
多文化共生は地方の生き残り戦略
群馬県はこれまでも外国人支援に積極的で、生活相談窓口や日本語教育の支援を進めてきた。だが、実際の地域社会では、言語や文化の違いから孤立する外国人も少なくない。今回の交流祭は、その“壁”を取り払うための試みでもある。
共生とは、相手を受け入れるだけでなく、お互いを知る努力をすること。文化の違いを楽しめる県民性が、群馬の新しい強みになる
山本知事のこの言葉には、地方が人口減少に直面する中で、外国人を「労働力」ではなく「地域の一員」として迎える姿勢がにじむ。県は今後、ベトナム人だけでなく、他国籍の住民との交流事業にも拡大していく考えだ。