2025-08-17 コメント投稿する ▼
石垣市長選、中山義隆氏が史上初の5選 尖閣・台湾航路政策を継続へ
石垣市長選、中山義隆氏が市政史上初の5選
任期途中の失職を経て臨んだ出直し石垣市長選で、中山義隆前市長(58)が再び信任を得た。投開票が行われた17日、中山氏は1万2923票を獲得し、対抗馬の砥板芳行氏(55)を1799票差で破り、市政史上初となる5期目を決めた。自民・公明の推薦を受け、従来の保守基盤を固めた中山氏の勝利は、市政の方向性を今後も大きく左右することになる。
「失職からの返り咲きで5選は前代未聞」
「尖閣や台湾航路など安全保障で国と連携するのは評価」
「多選に歯止めがかからないのは民主主義としてどうか」
「“オール沖縄”勢が市長を取れない現実を突きつけられた」
「市民生活の課題よりも安全保障ばかりが前面に出ている気がする」
出直し選の背景と投票動向
今回の選挙は、国民健康保険特別会計を巡る文書改ざん問題で中山氏が市議会から不信任を突きつけられ、失職に至ったことが直接の契機となった。失職から直ちに再出馬を決意した中山氏に対し、前回2022年市長選と同じく砥板氏が挑んだが、革新層以外への浸透が広がらず惜敗。
投票率は63%と前回から7.54ポイント下がり、過去最低を記録した。選挙戦は「実績の継続」を訴えた中山氏と、「長期政権の是非」を問う砥板氏の一騎打ちとなったが、有権者の関心は分散し、投票行動の消極化が浮き彫りとなった。
中山市政の継続課題
中山氏の再選によって、台湾航路開設事業は今秋の就航実現に向けて大きく前進する見込みだ。地元企業「商船やいま」が事業主体となり、観光や物流の活性化に寄与すると期待される。また、ユニマットプレシャスが推進するゴルフ場建設計画についても、県の開発許可や農地転用が認められたことから、中山氏は企業に早期着工を促すと見られている。
安全保障面では、自衛隊石垣駐屯地の増強や日米共同訓練に自公政権と連携して対応する方針を維持。台湾有事を想定した国民保護計画の充実も政府に求める姿勢だ。さらに、尖閣諸島をめぐる政策では現地調査や上陸許可申請を継続し、実効支配強化を打ち出す。
沖縄政治への影響
今回の結果により、沖縄県内11市では引き続き「オール沖縄」勢力に支援された市長が一人もいない状況が続くこととなった。これは来年の知事選に向けて大きな布石ともなり、保守勢力の地盤固めを鮮明にした格好だ。
中山氏の5選は、地方自治体首長における多選制限の是非も改めて議論を呼びそうである。失職から直後の再出馬で信任を勝ち取った事実は、支持基盤の強さを裏付ける一方、市民からの批判や懸念も根強く残る。今後は「実績の継続」と同時に「信頼回復」が中山氏にとって最大の課題となる。