2025-08-11 コメント投稿する ▼
石垣市長選告示 中山義隆氏、組織力と実績で5選挑む 出直し選に自信
石垣市長選告示 中山義隆氏、組織力と実績を武器に5選へ挑む
沖縄県石垣市の市長失職に伴う出直し市長選が10日に告示され、中山義隆前市長(58)=自民・公明推薦=が5選を目指して立候補した。対するのは無所属新人で前市議の砥板芳行氏(55)。市政史上初の出直し選は、2022年市長選と同じ顔ぶれによる一騎打ちで、投開票は17日に行われる。
中山氏は告示日の午前8時から市内の選対事務所で出陣式を開き、多くの支持者を前に「未来のために石垣を前に進めよう」と第一声。観光振興やインフラ整備など、4期15年で積み重ねた実績を強調した。その後は選挙カーに乗り込み、各地を遊説して支持を訴えた。
自公協力と経済界支援で盤石の体制
今回の選挙でも、中山氏は過去4回の市長選と同様に自民・公明の選挙協力体制を確立。経済界からの支援も変わらず、盤石の組織力で選挙戦を展開している。各地域の後援会を回り、観光客の増加やインフラ整備による地域経済活性化の成果を説明し、「市民の生活を支える市政」をアピールしている。
「長期政権だからこそ積み重ねられる成果がある」
「石垣を前に進める継続力に期待」
開発路線と安全保障への柔軟姿勢
中山氏の政策の柱には、台湾・基隆―石垣の定期フェリー航路開設や、ゴルフ場を含む大型リゾート建設などの観光開発がある。自然環境との調和に配慮するとしながらも、経済成長のためには新規事業の推進が必要との立場だ。
また、安全保障政策では陸上自衛隊石垣駐屯地の増強に柔軟な姿勢を示している。尖閣諸島を行政区域に抱える石垣市の地理的特性を踏まえ、「地域の安全と経済発展の両立」を掲げる。
「安全なくして発展なし」
「石垣の将来を見据えた路線を継続してほしい」
文書改ざん問題からの信任回復へ
今回の出直し選は、6月に市議会が国民健康保険特別会計を巡る公文書改ざん問題で中山氏への不信任決議を可決したことがきっかけ。中山氏は議会を解散せず自動失職し、「市民の信を問う」として再出馬を決めた。任期満了に伴う市長選は2025年2月に予定されていたが、大幅に前倒しとなった。
中山氏は「市民の生活を支えてきた自負がある」と語り、これまでの成果を訴えるとともに、信頼回復に向けた市政運営を誓った。
多選是非と無党派層の動向が鍵
石垣市で市長が5選を果たした前例はなく、中山氏の多選への評価が注目される。組織票では優位とされる中山氏だが、勝敗の行方は無党派層の動向に左右される見通しだ。観光開発や安全保障、環境保全のバランスをどう取るかが問われる中、中山氏は「成果を継続するためには経験と実績が必要」と訴え続けている。