2025-12-11 コメント投稿する ▼
映画「尖閣1945」完成へ 尖閣の歴史と領土問題を描く石垣市制作作品の意義
石垣市が制作した映画「尖閣1945」が2025年11月21日に撮影を終え、来年夏の完成に向けて作業が進んでいます。 中山義隆市長は市議会の一般質問で、平和に向き合うきっかけにしたいと述べ、市民の関心も高まっています。 ダイバーや送迎協力なども含め、200人を超える市民が関わり、地域の力を結集した制作になっています。
尖閣1945が伝える戦時の真実と現在の安全保障
石垣市が制作した映画「尖閣1945」が2025年11月21日に撮影を終え、来年夏の完成に向けて作業が進んでいます。第二次大戦末期に起きた尖閣列島戦時遭難事件を題材にした作品で、尖閣諸島の現実や歴史を分かりやすく描くことを目指しています。中山義隆市長は市議会の一般質問で、平和に向き合うきっかけにしたいと述べ、市民の関心も高まっています。
「尖閣の歴史を知らない人が多いから映画は意味があると思う」
「平和を語るには事実を知ることが大事だと感じた」
「領土問題に無関心なままでは危ない気がする」
「映像として残るのは次の世代への財産になる」
「安全保障を考える入口として期待している」
石垣漁港での撮影は2024年10月に始まり、底地ビーチや民有地でもロケが行われました。海上撮影を行うために俳優陣はサバニ漕ぎの訓練を受け、11月21日に全工程が終了しました。今後はCG制作や音響調整、楽曲収録が進められ、来年6月末から7月ごろに完成する見通しです。
市民200人超が参加した地域一体型の制作体制
出演者募集説明会には約300人が参加し、24人が役名のある役を務め、150人以上がエキストラとして出演しました。ダイバーや送迎協力なども含め、200人を超える市民が関わり、地域の力を結集した制作になっています。制作会社側からは市民協力への感謝が伝えられ、石垣市ならではの一体感が作品を支えました。
配給を担当する彩プロは、新キャストとして羽田美智子さんの出演を発表し、物語に深みをもたらす大きな要素となっています。五十嵐匠監督を中心に、歴史の空気感と緊張感を映像で再現する作業が続いています。
尖閣をめぐる歴史と現在の安全保障の重さ
尖閣諸島は日本固有の領土でありながら、周辺海域では外国船の接近が相次ぐなど、現代の重要な安全保障課題となっています。この映画は歴史的事実をもとに、尖閣で何が起きていたのかを丁寧に描き、領土の重みを考える機会を提供します。中山市長が強調するように、平和とは願うだけで手に入るものではなく、冷静な理解と現実的な備えが不可欠です。
特に領土問題や情報戦が激化する中、地域が歴史を語り継ぐことは極めて重要であり、事実に基づいた文化作品が持つ力は大きいものがあります。映画を通じて歴史への理解が深まることで、市民や若い世代が尖閣の現状を自分事として考えるきっかけになります。
平和のための文化資産としての期待と課題
市議会では制作費が約3億3千万円に上る見込みと報告され、今後の運用や公開方法には透明性が求められています。公共予算を使う以上、情報公開と説明責任は欠かせません。また、作品が単なる慰霊や記録にとどまらず、尖閣の安全保障をめぐる理解を深める文化資産として長く活用されることも期待されます。
登野城このみ市議は、平和と安全を考える契機としての映画の意義を認めつつ、透明性ある運用を求めています。地域の歴史を作品として残すことは、国防や領土意識を高めるうえでも価値があり、尖閣をめぐる情勢を正しく伝える道筋になります。