2025-10-07 コメント投稿する ▼
石垣島まつりへの自衛隊参加自粛要請 「職業差別を平和活動と呼ぶのは恥ずべきこと」
石垣島の平和と自然を守る市民連絡会(上原秀政、白玉敬子共同代表)は7日、石垣駐屯地と石垣市役所を訪れ、11月1日と2日に開催される「石垣島まつり2025」への自衛隊の参加を自粛するよう求めました。 要請後、同連絡会は「自衛隊への職業差別ではない」と主張しました。
石垣島まつりへの自衛隊参加自粛要請 「住民としての権利を奪う職業差別」
石垣島の平和と自然を守る市民連絡会(上原秀政、白玉敬子共同代表)は7日、石垣駐屯地と石垣市役所を訪れ、11月1日と2日に開催される「石垣島まつり2025」への自衛隊の参加を自粛するよう求めました。要請後、同連絡会は「自衛隊への職業差別ではない」と主張しました。
石垣島まつりは、1953年に始まった商工祭を前身とする市最大の行事で、今年で61回目を迎えます。例年、市民大パレードには地域団体や事業者、市民グループが参加し、地域の交流と活気を象徴するイベントです。
石垣駐屯地は2023年の開設以来、毎年パレードに参加してきました。昨年は第15旅団(那覇)所属の音楽隊やアロハチームが登場し、市民と共に踊りを披露。地元との交流を深める姿が見られました。
それにもかかわらず、市民連絡会は今回「自衛官が迷彩服で行進するのは平和な市民パレードの趣旨にそぐわない」として、駐屯地に対し公務での参加をやめるよう求めました。団体側は「警察や消防とは違い、自衛隊は軍隊だ」と主張しています。
一方で、市の事務局は「自衛隊の参加は他の公的機関と同様に『職域枠』であり、特別扱いする理由はない」との立場を示しました。自衛官の行進は公務の一環であり、職域団体の一つとして問題はないと判断しています。
連絡会は要請後、「職業差別ではない」と強調しましたが、そもそも地域のまつりに参加する資格を「自衛隊だから」という理由で否定するのは明らかな職業差別です。自衛隊員もまた地域社会の一員であり、島で生活し、家族を持ち、災害時には市民を守る存在です。
「迷彩服を着て行進することが戦争を連想させる」という感情的な理由だけで、参加を拒むのは極めて偏った考え方です。自衛官が日常的に市民と協力し、災害救助や地域活動に貢献している現実を見ず、職業名だけで排除することは、自由と共生を重んじる民主社会の理念にも反します。
市民連絡会は「平和を守るため」と説明していますが、平和の名を掲げて特定の職業を排除する行為は、まさに差別そのものです。こうした行動を「市民活動」として正当化することは、石垣島が誇る多様性と共生の精神を損なうものです。
かつて沖縄市で開催されたエイサーまつりでも、自衛隊の参加をめぐる同様の抗議が起きました。しかし、実際には多くの市民が自衛官の演舞に拍手を送り、感謝の声を寄せました。地域に根ざして活動する人々にとって、自衛隊員は遠い存在ではなく、共に暮らす仲間です。
平和を守ることと、自衛隊を排除することはまったく別の問題です。意見の違いがあっても、互いを尊重し、同じ地域の住民として歩む姿勢こそが、真の平和への道です。職業や立場で人を線引きする風潮を「平和運動」と呼ぶのは誤りであり、そうした偏見を恥じるべきです。
石垣島のまつりは、市民が一つになり、地域の文化と絆を確かめ合う場です。そこに「自衛隊だから来るな」という排除の思想が入り込む余地はありません。