2025-09-10 コメント投稿する ▼
石垣港に海自と米軍の特殊部隊艇が入港 住民抗議も「説明不足」と不信感
海自は補給と休養、米軍は通常入港と説明している。 海自艇はうるま市勝連基地所属とされるが、米軍艇の所属は公表されていない。 岸壁の使用許可もこの日程に合わせて出されている。 今回の入港がRDと直接関わるかは不明とされるが、特殊部隊艇の投入は石垣島の地理的重要性を裏付けるものとも受け止められる。
石垣港に海自と米軍の特殊部隊艇が入港
10日午後、沖縄県石垣市の石垣港浜崎マリーナに、海上自衛隊と米軍の小型艇がそれぞれ2隻ずつ、計4隻入港した。日米共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25(RD)」開始前の動きであるが、直接の関連性は明らかにされていない。海自は補給と休養、米軍は通常入港と説明している。
入港したのは、海自の特殊部隊運用にも使われる高速ボート「特別機動船」と、米海軍の戦闘艇「コンバット・クラフト・アサルト(CCA)」である。CCAはネイビーシールズや海兵隊員の輸送にも用いられる艦艇で、特殊作戦に投入されることが多い。海自艇はうるま市勝連基地所属とされるが、米軍艇の所属は公表されていない。
隊員は覆面姿で上陸
午後6時入港予定だったが、実際には約1時間前倒しで入港。海自艇が米軍艇を先導する形で港に入り、日米合わせて20人ほどの隊員が上陸した。ほぼ全員がサングラスやマスクで顔を覆い、個人の特定を避ける意図がうかがえた。入港作業は20分程度で完了し、海自隊員は車両で移動、米軍隊員は操縦席をカバーで隠した後に徒歩で岸壁を離れた。
期間中は一時的な出入港を繰り返す可能性があり、海自は14日、米軍は13日までに出港予定。岸壁の使用許可もこの日程に合わせて出されている。
住民の抗議と不安
入港の現場には最終的に反対派市民が10人ほど集まり、抗議文を手渡そうと試みたが、隊員たちは対応せずそのまま現場を離れた。到着が予定より早まったことで、多くの市民は間に合わなかった。石垣島における自衛隊や米軍の動きには賛否が割れており、住民の一部からは不安の声が根強い。
「いきなりの入港は不安を煽る」
「説明もなく特殊部隊が来るのは異様だ」
「訓練の一環なら明確に示すべきだ」
「石垣を前線基地にするのは許されない」
「生活の場を軍事利用しないでほしい」
SNS上でもこうした声が共有されており、透明性の欠如が不信感を広げている。
RD訓練と石垣の戦略的重要性
RDは日米が連携して行う実動訓練で、対艦・対空戦闘を中心に石垣駐屯地などで展開される。今回の入港がRDと直接関わるかは不明とされるが、特殊部隊艇の投入は石垣島の地理的重要性を裏付けるものとも受け止められる。
南西諸島は中国の海洋進出を念頭に防衛力強化が進められており、石垣島には陸上自衛隊の駐屯地が新設されている。米軍との共同活動も頻度を増しており、島嶼防衛の要衝としての位置づけが強まっている。
石垣における安全保障と地域社会の懸念
海自と米軍の入港は、国防上の連携強化を示す一方で、地域住民の不安を増大させている。説明不足や突然の入港が「生活の場を軍事化するのではないか」との懸念を呼び、抗議行動につながっている。石垣港が訓練や補給の拠点として常態化すれば、地域と安全保障政策の摩擦はさらに深まる可能性がある。
今後の日米共同訓練の展開とともに、地域社会への説明責任や合意形成のあり方が改めて問われている。