2025-07-30 コメント投稿する ▼
千葉県議の海外視察に違法支出の疑い 旅費1690万円の返金求め市民オンブズマンが県を提訴
千葉県議の海外視察に「高額すぎて違法」市民オンブズマンが県を提訴 旅費1690万円の返還求める
千葉県議会議員による海外視察の旅費が「不要で違法な支出」だったとして、千葉県市民オンブズマン連絡会議は7月30日、熊谷俊人知事に対し、視察に参加した県議10人へ計約1690万円の返金を命じるよう求める訴訟を千葉地裁に起こした。訴状では、視察の実態と費用の妥当性について厳しく追及しており、「政治活動の自由を盾に、税金を私的な旅行に流用しているのではないか」との批判が強まっている。
視察先は在外公館、提案も旅行業者任せ “形だけの調査”に疑問
訴状などによると、県議らは2024年5月31日~6月5日にかけて、ドイツとオランダを訪問。名目上は「再生可能エネルギー政策と観光振興に関する行政調査」とされていたが、訪問先の多くが日本の在外機関や関連団体で、現地でなければ得られない情報ではなかったと指摘されている。
また、視察先の提案や日程構成を旅行代理店任せにしていたことも明らかになり、「視察の中身が精査されないまま予算が執行されている」として、県民感覚との乖離が強く問われている。
「視察の名を借りた観光旅行にしか見えない」
「なぜ代理店に任せる?自分たちで調査すべきでは」
「税金で行くなら説明責任を果たして」
「11万円のホテルって一体何を見に行ったの?」
「海外視察=観光の時代はもう終わりにしてほしい」
SNSや市民の間でも、「視察の名目が事実上の遊興」との認識が広がっている。
1泊11万円のホテルも「社会通念上、妥当性欠く」
連絡会議は特に、視察旅費の内訳に強い疑義を呈している。1泊あたり11万円という高額な宿泊費は、一般的なビジネス出張と比べて明らかに過剰だとし、「社会通念上、著しく妥当性を欠く」と断定。公費を用いた視察としての適格性を問う形となっている。
同会議の広瀬理夫代表幹事は「政治活動の自由は民主主義の根本だが、ルーズ過ぎる実態にはメスを入れねばならない。県民の大切な税金が“遊び”に使われてはたまらない」と厳しく批判した。
県は監査請求を棄却 「調査は適法」と主張
この問題を巡っては、今月上旬に同連絡会議が提出した住民監査請求も千葉県が棄却している。県は「調査は適法に実施された」と主張しつつ、「訴状を確認のうえ、適切に対応したい」としている。
だが、調査の内容・効果・費用の妥当性に関する明確な説明はなされておらず、市民の間では「“適法”の言葉に甘えた実態無視の視察運営ではないか」との疑念が根強い。
問われる「公費の使い道」と政治の説明責任
この訴訟は、単なる視察の是非にとどまらず、地方議員による公費の使い方全般への信頼を問うものとなっている。視察の目的や成果が曖昧なまま予算が使われれば、議会活動そのものへの信頼失墜にもつながりかねない。
今後、裁判では視察の計画・報告・費用の正当性が厳しく精査されることとなり、全国の自治体議会にも波紋を広げそうだ。