2025-05-26 コメント投稿する ▼
千葉県の学校でセクハラ被害が倍増 小学生の意識変化と現場の課題
千葉県の学校でセクハラ被害訴える児童・生徒が増加
千葉県内の公立学校で、教職員からの言動に不快感を抱いた児童・生徒の数が前年度より大幅に増えたことが、県教育委員会の最新調査で明らかになった。とりわけ小学生の間で「セクハラと感じた」と回答する子どもが倍増しており、教育現場での対応が急務となっている。
小中学生の「不快」回答が急増、背景に啓発活動か
千葉県教委が行ったアンケートによれば、令和6年度に「学校生活でセクハラと感じ、不快だった」と答えた児童・生徒は517人に達し、前年度の402人から約29%の増加となった。特に小学生は44人から104人と2倍以上に跳ね上がり、中学生も185人から261人へと大幅に増加している。
県教委の担当者は、アンケート前に視聴させた啓発動画が、児童の意識向上につながった可能性があると説明している。この動画では「水着で隠れる部分には触れてはいけない」といった明確なメッセージが含まれており、これまで気づかれにくかった行為に対して「おかしい」と思える子どもが増えたという見方だ。
実際の被害内容とその具体例
調査では、複数の回答が可能な形式で実施された。被害内容として最も多かったのは「不必要に体に触られた」という声で、全体で202件に及ぶ。また、「身体的な特徴をからかわれた」「性的な話をされた」「性別を理由に役割を押しつけられた」といった回答も多数見られた。
具体的には、「部活動の指導中に腰や肩を触られた」「顧問から体型や体重について発言された」「授業中に特定の女子ばかりが指名されたり、雑用を頼まれた」など、日常的な学校生活の中で起きた事例が数多く報告されている。
セクハラ以外のハラスメントも見逃せない
セクハラにとどまらず、「教員の言葉や態度に傷ついた」といった回答も増加している。不快なハラスメント全体で見ても、令和5年度の1,239人から、令和6年度は1,404人へと増えた。「努力しているのに教師から評価されない」「けがをしたのに軽く扱われた」など、子どもたちの訴えには心の痛みがにじむ。
このような回答は、単に数字としてではなく、教育現場で信頼関係が崩れている兆しとして受け止めるべきだ。特に部活動を巡る指導や評価のあり方には再考が求められている。
県教委の対策と今後の課題
県教育委員会では、今後の対策として教職員への研修強化や相談体制の拡充を進めていくとしている。また、児童・生徒が安心して声を上げられるよう、校内に相談窓口や投書箱の設置も行っている。
一方で、教職員側が「コミュニケーションの一環」として触れたり話したりしたとするケースもあり、被害者と加害者の間での認識のずれが深刻な問題となっている。子どもが感じた「不快」の感覚こそが重要だという意識改革が、現場には求められている。
SNSでも怒りと不安の声
「子どもが安心して通えるはずの学校でこんなことが起きてるなんて許せない」
「小学生の被害が倍増って…啓発で気づけるようになったのはいいけど、行為自体が減ってないのが問題」
「セクハラって認識がない教員がいる時点で終わってる」
「教育委員会はもっと踏み込んで対策を取ってほしい」
「部活の先生が一番怖い存在って、変な話だよね。見直しが必要だと思う」
子どもたちの声がようやく表に出るようになった一方で、その訴えが学校現場でどれだけ受け止められ、改善に結びついていくかが問われている。千葉県のこの調査は、全国の教育関係者にとっても他人事ではないはずだ。