スプリング・ジャパン上海便が座席変更トラブルで成田緊急引き返し、男性客を警察連行

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スプリング・ジャパン上海便が座席変更トラブルで成田緊急引き返し、男性客を警察連行

スプリング・ジャパン上海便が成田に緊急引き返し、2時間の口論で安全運航に支障。 格安航空会社(LCC)のスプリング・ジャパンの成田発上海行き便で、乗客が座席変更を巡って客室乗務員とトラブルを起こし、この便が成田空港に緊急引き返すという事態が発生しました。 スプリング・ジャパンは「説明に従っていただけず、座席をめぐるトラブルになって、機内で安全阻害行為が発生しました。

座席変更要求で機内騒動


スプリング・ジャパン上海便が成田に緊急引き返し、2時間の口論で安全運航に支障

格安航空会社(LCC)のスプリング・ジャパンの成田発上海行き便で、乗客が座席変更を巡って客室乗務員とトラブルを起こし、この便が成田空港に緊急引き返すという事態が発生しました。2025年12月1日に出発したIJ005便は、約2時間20分後に成田に戻ることとなり、男性客は警察に連行され、他の乗客には約1万円の補償金が支給されました。

LCCの座席指定ルールが発端


今回の事件では、男性乗客が交際相手と別々の席になったため、客室乗務員に隣の席への変更を求めたものの、断られたことで口論に発展しました。スプリング・ジャパンの広報担当者によると、LCCとして事前に座席を買い求める必要があるため、乗務員が要望を拒否したところ、客が「納得できない」として騒ぎ出したといいます。

LCCでは座席指定に料金が必要で、座席によって料金が異なります。座席指定料金を払っている人がいるにもかかわらず、空席だからといって勝手に席に移ると不公平感が生まれるため、厳格な運用が行われています。LCCの事前座席指定は基本「有料」で、足元が広い座席、前方座席、窓側・通路側などで値段が違います。

航空業界では、このような座席変更を巡るトラブルが時折発生しており、SNSでも関連する声が投稿されています。

「LCCで座席変更を求めるのは理解できないルール違反だと思う」
「恋人同士で隣に座りたい気持ちは分かるけど事前に予約すべき」
「2時間も口論するなんて他の乗客が本当にかわいそう」
「警察まで呼ばれるトラブルになるとは思わなかっただろうな」
「補償金1万円でも時間の無駄と精神的負担を考えると割に合わない」

警察介入と安全運航への影響


口論は離陸後およそ2時間にわたって続き、最終的に機長は日本当局に通報した上で、着陸約30分前の時点で成田空港への引き返しを決断しました。機内で撮影された動画には、警察官2人が「それじゃ、降りよう」「みんなが迷惑しているから、降りましょう」と男性客に退機を促す様子が映っています。

千葉県警成田国際空港署の説明では、機長からの通報を受けて警察官を派遣し、トラブルを起こした客から事情を聴取したものの、航空会社からの被害届が提出されなかったため、事件として捜査は行わなかったとしています。

スプリング・ジャパンは「説明に従っていただけず、座席をめぐるトラブルになって、機内で安全阻害行為が発生しました。トラブルが長時間にわたって続き、安全運航の継続が難しいと判断し、成田に引き返しました」と説明しています。

航空法違反の可能性と厳格な対応


航空法第73条の4では、航空機内における安全阻害行為等が規定されており、乗務員の職務執行を妨げ、安全の保持、乗客・財産の保護、秩序・規律の維持に支障を及ぼすおそれのある行為が禁止されています。機内での長時間の騒動は、他の乗客の安全や快適性を脅かす行為として厳しく対処される可能性があります。

飛行機内での安全阻害行為等にあたる迷惑行為をはたらき、機長からの警告にも従わずに迷惑行為を続けていれば、航空法による拘束を受ける可能性があると同時に、逮捕される可能性もあります。今回のケースでは逮捕には至らなかったものの、機長判断による引き返しという重大な結果を招いたことで、その影響の大きさが浮き彫りになりました。

スプリング・ジャパンの経営体制と路線展開


スプリング・ジャパンは、中国のLCC「春秋航空」が2012年に日本で設立し、2021年からは日本航空(JAL)のグループ会社として運営されています。2024年8月1日からは、成田-北京、成田-上海線において、日本航空とのコードシェア便も実施しており、日中路線の拡大に注力しています。

同社は中国路線に経営資源を集中する方針を取っており、2024年12月14日より東京/成田~広島線を運休し、創業初期に開設した国内線の多くが運休に至っています。今回のトラブルは、同社の主力路線である中国路線で発生したため、ブランドイメージや日中路線展開への影響も懸念されます。

LCC利用時の注意点と対策


LCCが主力機として運航しているA320や737では、乗客は3つのゾーンに分かれて重心が管理されており、座席移動が制限される技術的理由もあります。また、機内食のプリオーダーは座席番号で管理されているため、座席を移動すると誰の機内食かわからなくなるという運用上の問題も存在します。

今回の事件は、LCCの低料金ビジネスモデルと乗客の期待との間に生じるギャップを象徴するものです。LCCを利用する際は、座席指定を含む各種サービスが有料であることを事前に理解し、適切な準備を行うことが重要です。

航空会社側も、乗客への事前説明の徹底や柔軟な対応策の検討など、同様のトラブルを防ぐための取り組みが求められています。機内での騒動は多くの乗客に迷惑をかけるだけでなく、安全運航にも支障を与える重大な問題として、業界全体で対策を強化していく必要があります。

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2025-12-05 14:59:11(藤田)

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