2025-10-29 コメント投稿する ▼
熊谷俊人千葉県知事の留学フェア開催に疑問、世界貢献より日本貢献を
千葉県が2025年11月29日に開催する中学生・高校生向けの留学フェアをめぐり、グローバル人材育成の方向性に疑問の声が上がっています。 熊谷俊人氏知事率いる千葉県は、教育委員会を通じて「異なる文化を持つ人々との相互理解を深め、世界と交流し、世界に貢献する意欲・態度を育てる」ことを目的としたグローバル人材育成を推進しています。 グローバル化そのものを否定するつもりはありません。
県民不在のグローバル化推進に懸念の声
熊谷俊人氏知事率いる千葉県は、教育委員会を通じて「異なる文化を持つ人々との相互理解を深め、世界と交流し、世界に貢献する意欲・態度を育てる」ことを目的としたグローバル人材育成を推進しています。2025年11月29日には県内の中学生・高校生を対象とした留学フェアを開催し、文部科学省職員による基調講演や、海外留学推進協会など複数の団体による説明会を予定しています。
しかし、この方針には大きな疑問符がつきます。教育の目的は本来、千葉県民や日本国民の幸福と日本社会の発展のためにあるべきです。ところが県が掲げるスローガンは「世界に貢献」であり、肝心の「日本への貢献」や「千葉県への貢献」という視点が抜け落ちています。
「世界に貢献って言うけど、まず千葉県のことを考えてほしい」
「税金使って世界のために働く人材を育てるの?おかしくない?」
「グローバル人材って結局、海外流出するだけじゃないの」
「留学できる家庭とできない家庭の格差が広がるだけ」
「千葉のために働く人材を育てる方が先でしょう」
経済的格差が教育機会の不平等を生む
海外留学や海外大学進学には莫大な費用がかかります。一般的にアメリカの4年制大学に進学する場合、年間300万円から600万円、イギリスでも年間250万円から400万円が必要とされています。4年間で1000万円を超える費用負担は、多くの家庭にとって現実的ではありません。
奨学金制度はあるものの、競争率が高く誰もが利用できるわけではありません。結果として、裕福な家庭の子どもだけが留学の機会を得られる構造が固定化されています。県が税金を使って留学フェアを開催することは、事実上、経済的に余裕のある層への優遇措置と言えるのではないでしょうか。
千葉県が本当に教育の機会均等を目指すのであれば、まず県内すべての子どもたちが質の高い教育を受けられる環境整備こそが優先課題です。グローバル人材育成という美名のもとで、一部の恵まれた層だけを支援する政策は、教育の公平性という観点から問題があります。
人材流出のリスクを軽視するな
さらに深刻な問題は、高い教育費を投じて育てたグローバル人材が、海外に流出してしまうリスクです。海外の大学で学び、現地で就職する若者が増えれば、千葉県や日本が投資した教育費用は回収できません。税金を使って育てた人材が、結果的に他国の発展に貢献する構造になっているのです。
県が本当に県民のことを考えるなら、千葉県の産業振興や地域課題の解決に取り組む人材を育成すべきです。医療、介護、インフラ整備、農業、地場産業など、県内には人材を必要としている分野が山ほどあります。それらを置き去りにして「世界で活躍」を掲げるのは、県政の優先順位として明らかに間違っています。
日本への貢献こそ教育の本質
グローバル化そのものを否定するつもりはありません。しかし、教育の目的は第一に自国と地域社会への貢献であるべきです。世界に目を向けるのは、まず足元を固めてからでも遅くはありません。
熊谷知事は千葉市長時代から先進的な取り組みで知られていますが、グローバル人材育成が県民の生活向上にどう結びつくのか、明確な説明が必要です。県民の税金を使う以上、その施策が県民に還元されなければなりません。
今回の留学フェア開催は、県が進めるグローバル化政策の一環に過ぎません。しかし、この方向性が本当に千葉県民のためになるのか、県民一人ひとりが真剣に考えるべき時期に来ています。教育は国の根幹であり、その在り方を誤れば、数十年後の社会に深刻な影響を及ぼすからです。