2025-06-22 コメント投稿する ▼
石丸伸二氏「議席数にこだわらず」苦戦の都議選で語った“再生の道”の真意とは
石丸伸二氏の「再生の道」、都議選で苦戦も“成果あり”を強調
昨夏の東京都知事選で約166万票を獲得し、次点ながら一躍注目を集めた前安芸高田市長・石丸伸二氏。その石丸氏が代表を務める地域政党「再生の道」は、今回の東京都議会議員選挙において42人の候補を擁立したものの、選挙戦終盤までの情勢調査では多くの選挙区で当選圏外とされ、苦戦が伝えられていた。
それでも石丸氏は22日夜、港区で開いた記者会見で「目標は果たした」と語り、候補者の当落にはこだわらない姿勢を示した。「候補者は千差万別。それぞれに価値がある。全体の評価としては期待通りだった」と、自らが掲げた“東京の再生”という理念に照らして、一定の成果が得られたと強調した。
政策も公約も出さず42人擁立 「個人主義」の政党運営
「再生の道」は今回、都議会最大勢力である自民党と同数の42人を擁立。その内訳には、定数6の杉並区に3人を送り込むなど、選挙戦略としては異例の展開もみられた。通常、複数候補を同一選挙区に出す際は票の食い合いを防ぐために慎重になるが、同党はあえてそれを無視する構えを見せた。
また、党としての政策や統一公約も発表しておらず、これについて石丸氏は「すべての議案に対して、各候補者が自らの価値観と判断で賛否を決める」と説明。従来の政党のような綱領・公約の束縛を排し、あくまで「個としての政治」を志向するという姿勢を示した。
「42人立てて1人も通らなかったら“再生”じゃなくて“壊滅”でしょ」
「ノープラン、ノーポリシー。都政をお遊びで使うな」
「政治はゲームじゃない。公約もなく誰を信じればいいのか」
「目標が“出馬”だけなら誰でもできる。結果を出してから語るべき」
「石丸さん好きだけど、これはさすがに無責任に見えた」
「目標は出馬」その先にあるものは?
今回の都議選における「再生の道」の取り組みは、“政党らしからぬ政党”という独自色を押し出した形だ。ただし、その理念は一部の有権者には響いても、広範な支持にまで結びつくには至らなかった。候補者個々人に任される政策判断、明確なビジョンを欠いた公約、そして複数擁立による選挙区内の混乱など、組織運営としての疑問も残る。
石丸氏が都知事選で掲げた主張の多くは、都政の既得権構造や政治の閉鎖性への問題提起だった。しかし今回の都議選では、同様の問題意識を共有する候補がどれだけいたのかも不明瞭だ。
そもそも「再生の道」は、どのような再生をめざしているのか――その問いに対する明確な回答は、候補者たちの街頭演説からも聞こえてこなかった。強い理念があるならば、それを政策や公約に落とし込む責任はある。議席を獲得できなかったとしても、政治運動としての一貫性が見える形に昇華されていれば、違う評価も得られたかもしれない。
ポスト都知事選の「石丸現象」は持続するのか
昨年の都知事選で石丸氏が見せた勢いは、多くの都民に“変化”の期待を抱かせた。しかし今回の都議選では、その余韻は希薄だった。「石丸現象」と呼ばれた熱狂が、果たして一時のブームだったのか、それとも次なる展開への布石なのか。
本人は「議席数にはこだわらない」と語ったが、政治は結果責任を問われる世界だ。「変革」を掲げるならば、最終的には実行力と組織力、そして明確な政策によって示さなければ、有権者の信頼は長続きしない。
少なくとも今回、東京の有権者が示したのは、候補者個人への期待だけではなく、政治家としての覚悟や具体性への厳しい評価だった。その現実を、石丸氏自身がどう受け止め、次にどう動くかに注目が集まる。