2026-01-09 コメント投稿する ▼
片山さつき財務相が訪米へ、G7でレアアース脱中国を協議
片山さつき財務相は2026年1月9日の記者会見で、1月11日から14日までの日程で米国を訪問し、重要鉱物問題に関する財務相会合に出席すると発表しました。先進7カ国とチリやオーストラリアなどの資源国が参加し、中国が独占的なシェアを握るレアアースなどの重要鉱物をめぐり、中国に依存しないサプライチェーンの在り方を話し合う見通しです。
中国の輸出管理強化に遺憾表明
中国政府は2026年1月6日、軍民両用品目の日本に対する輸出管理を強化すると発表しました。レアアースが対象に含まれる可能性もあり、片山氏は会見で世界的な供給網に影響をもたらしうることから非常に遺憾だと述べました。その上で、今回の会合でも参加国に日本の立場を説明すると強調しました。
中国商務部は1月6日の声明で、防衛目的で使用される全てのデュアルユース品の日本向け輸出を即時禁止すると発表しました。禁止措置は日本の防衛能力を強化し得る全ての物品に適用されるとしていますが、具体的な品目リストは明示されていません。中国政府系メディアの報道によると、一部の中・重希土類の対日輸出許可審査を厳格化する方向で検討しているとされています。
「中国の輸出規制は経済的威圧そのものだ」
「2010年の悪夢が再び起きるのか不安だ」
「レアアースで脅してくるのはいつものパターンだ」
「脱中国のサプライチェーン構築は急務だ」
「日本の安全保障を人質にされている状況だ」
2010年尖閣事件でも輸出規制の経験
中国政府は2010年に起きた尖閣諸島沖での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件の際も、レアアースの対日輸出を事実上制限しました。片山氏は日本は輸出規制の対象になった経験があると指摘し、先進7カ国の他の国々と中国以外への調達先の多様化に取り組みなどをシェアしてほしいと考えていると語りました。
レアアースは電気自動車のモーターや半導体などに不可欠な重要物資です。中国が生産の6割超、精錬の9割超を握るとされ、世界市場で圧倒的なシェアを占めています。特にEV用モーターに使用されるネオジム磁石の補助材料であるジスプロシウムやテルビウムなどは、ほぼ100%を中国に依存しているとされます。
専門家の試算によると、レアアース輸出規制が3カ月続くと仮定した場合、生産減少額や損失額は約6600億円となり、年間の名目・実質GDPを0.11%押し下げる計算です。仮に輸出規制が1年間続く事態となれば、損失額は約2兆6000億円、年間の名目・実質GDPの押し下げ効果はマイナス0.43%に達する計算となります。
G7と資源国で脱中国の供給網構築へ
先進7カ国は2025年6月、レアアースのサプライチェーンを確保し経済を活性化させるための重要鉱物行動計画に合意しました。政府関係者は2025年、中国国外の重要鉱物への投資を経済的に実行可能にする最低価格制度について議論を開始しており、米国は2025年、レアアースの国内供給契約で初めて最低価格を設定しました。
今回の財務相会合は1月12日の週を軸に米首都ワシントンで開催される見通しです。先進7カ国とチリ、オーストラリアなどの資源国が参加し、中国が独占的な地位を占めるレアアースをはじめとする重要鉱物に関し、中国に依存しない供給網の構築を目指すことを確認する方針です。レアアースの国際的なルール作りなども議論されるとみられます。
日本としては、中国による経済的威圧に毅然と対応するとともに、レアアースの調達先の多様化を進める必要があります。日本が輸入するレアアースの中国依存度は2010年の尖閣問題時の90%から、現在では60%程度に低下したとされますが、それでもなお中国依存度は高い状況です。
日本は南鳥島沖の排他的経済水域内に、世界第3位の規模に相当する約1600万トンのレアアース泥が存在することが確認されています。2026年1月11日には海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が清水港を出港し、世界初となる深海レアアース泥の試掘を開始する予定です。国産資源を軸とした供給体制への転換が、経済安全保障上の重要課題となっています。