2025-10-26 コメント投稿する ▼
片山さつき財務相が財務省に「本筋」回帰を要求 「帳尻あわせ」脱却へ職員に決断を促す
この訓示の中で片山氏は「これからはザイム真理教のデモが起きるのではなく、財務省が夢につながる予算を作ってくれていると思っていただけるように、マインドを多少リセットしてほしい」と呼びかけました。 「きちっと財政規律を定めた積極財政をやっていく」と述べた片山氏は、**規律を失うのではなく、その中で国民生活向上を最優先にする」という新しい方向性を提示しているのです。
女性初の財務大臣が古巣に求めた「本筋」
片山さつき財務大臣(65)は1982年に旧大蔵省に入省。90年代後半の金融危機時に銀行局の担当室長として「金融再生トータルプラン」に奔走し、その後予算編成を担う主計局で女性として初めて主計官に就任した経歴を持つ。2025年10月22日、高市早苗首相の新内閣で女性初の財務大臣として就任した片山氏は、かつての勤務先である財務省に初登庁。職員に対し、深い思いを込めた訓示を行いました。
この訓示の中で片山氏は「これからはザイム真理教のデモが起きるのではなく、財務省が夢につながる予算を作ってくれていると思っていただけるように、マインドを多少リセットしてほしい」と呼びかけました。インターネット上で財務省が国民生活よりも財政均衡を優先しているとして揶揄される「ザイム真理教」という言葉が出現し、庁舎周辺で定期的にデモが行われている現状を踏まえての発言でした。
財務省の「本当の目的」を問い直す
2025年10月26日放送のNHK「日曜討論」で、片山氏はこの訓示の真意についてさらに詳しく語りました。
訓示では「借金を未来の世代につけまわさない方がいいに決まっている。それができるなら」と前置きしつつ、「成長しない日本を未来に残すことの方が(借金よりも)よっぽどツケだ」と述べ、投資によって経済を成長させることの重要性を強調しました。
日曜討論での発言で、片山氏は自身の財務省時代の経験を直截に語りました。「私自身、主計官まで勤めあげたが、財務省では帳尻あわせやフレームとか、そういう言葉で縛られがち。それはあくまでも良い予算をつくるための手段であり、目的は国民生活を向上させ、日本がよりよい国になること。その本筋をなくしてはいけない」と指摘しました。
「手段と目的を混同してはいけない。これが官僚組織の陥りやすい罠だ」
「成長しない国を未来の子孫に残すことは借金より罪深い」
「財務省には過去の目標設定が2度あった。そこに希望や夢があった」
「今こそ本来の目的に立ち返る時だと確信している」
「ストレートに目的で動く。戸惑わないでついてきてほしい」
「帳尻あわせ」から「夢のある予算」へ
片山氏によると、財務省は過去に2度「目標設定」を行ったことがあるといいます。1度目は片山氏自身が実際に作ったもので、「将来への期待や希望や夢が残るような」という文言が記されていたと述べました。
「そうであれば、それをしっかり中心に持ってきて、そのつもりで予算や税制に取り組んでほしいということ」と片山氏は職員に求めています。つまり、手段である「帳尻あわせ」や「フレーム」に縛られるのではなく、本来の目的である「国民生活の向上」「日本のより良い未来」に立ち返るべきだというメッセージなのです。
「戸惑わずついてきてほしい」の真意
初登庁時に「大臣として戻ってこられて感無量だ。戦々恐々という記事も出ていたが、もう『恐竜』になる年ではないので安心してください」と呼びかけた片山氏は、具体的な政策実行の強い意志も示しました。
「こういうことを、まず実行してやっていく。それを、戸惑わないでほしいと。ストレートに目的をやっていきたいので、ついて来てほしいと。こういう意味でございます」と述べた片山氏の言葉は、財務省の職員への強い促促です。
国民が求めているのは、物価高対策や経済政策の実行です。訓示では「お金はかかるけども、財務省から言うべきだ」と述べ、物価高に応じてむしろ予算を増やす考えを示しました。
具体的には、ガソリン暫定税率の撤廃に向け「できるだけ早く、まず補助金で年内の早い時期に25円分下げてしまう」と主張。さらに「医療介護の現場が疲弊している。給与を増やすには地方交付金を増やして、中小企業の今まで賃上げができなかったところにもしっかりお金を充てたいし、電気・ガス料金も下げたい」と意欲をみせました。
古巣の「改革」を託された使命
片山氏は1982年の入省以来、金融行政にも携わり、現在は自民党の金融調査会長を務めるなど「金融族」を代表する議員のひとりです。その片山氏が財務大臣として古巣に復帰することの意味は大きいものがあります。
財務省では従来、「財政規律の維持」が最優先とされてきました。しかし片山氏の訓示は、この優先順位を根本から問い直すものです。「きちっと財政規律を定めた積極財政をやっていく」と述べた片山氏は、規律を失うのではなく、その中で国民生活向上を最優先にする」という新しい方向性を提示しているのです。
「戸惑わずついてきてほしい」という片山氏の言葉には、財務省の職員への信頼と同時に、強い決意が込められています。手段に縛られていた古い体質を脱却し、本来の目的に立ち返る。それが、女性初の財務大臣が古巣に託した改革の本質なのです。
 
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
                     
                     
                    