2025-06-09 コメント投稿する ▼
西田昌司議員、財務省に鋭く迫る 「日本の財政はギリシャ以下」論の誤解とIMFデータの問題を追及
西田昌司議員、参院で財務省を一喝
9日、参議院決算委員会にて、自民党の西田昌司議員が財務省の姿勢に強く切り込んだ。冒頭では過去の自身の発言について、「沖縄県民および関係者に対して傷つける結果となったことを深くお詫び申し上げます」と謝罪し、その上で「今後は国会議員として責任を果たしてまいります」と決意を新たにして質疑を始めた。
焦点となったのは、石破茂総理による「日本の財政状況はギリシャよりも悪い」という発言。西田議員はこれに強く異を唱え、「IMFの数値をわざわざ日本が不利に見えるように操作している」と財務省の姿勢を批判した。
さらに、舌打ちを交えながら「いつも財務省はこういう論法で国民の誤解を招いている」と発言。会場は一瞬、緊張感に包まれた。
アルゼンチンの事例で国債デフォルトの可能性を議論
加藤勝信財務大臣の「アルゼンチンでも自国通貨建てでデフォルトがあった」との答弁に対し、西田氏は疑問を投げかけた。
「我々は『自国通貨建てかつ変動相場制の国はデフォルトしない』と教わってきたが、アルゼンチンはそれを覆した。ならば、日本も選択次第ではそうなるのか?」
これに対し加藤大臣は、「アルゼンチンは市場の信認を失い、インフレ悪化や景気後退の中で資金調達困難に陥った。だが日本は違う。財政健全化と経済再生の両立で信頼を保っていく」と慎重に応じた。
「学ぶべきはそこではない」西田氏が鋭く指摘
西田議員はアルゼンチン経済の特殊性についても触れた。「アルゼンチンでは税の主体が付加価値税と関税で、地下経済が巨大すぎて所得税が機能していない。一方、日本は所得税や法人税といった直接税で成り立っており、国がお金を出しても民間に循環し税で戻ってくる仕組みがある」と説明。
その上で、「アルゼンチンのようなケースを引き合いに日本の財政を語るのは誤解を招く。むしろ財務省は、きちんとしたデータで説明すべきだ」と財務省職員に向かって厳しい視線を送り、「あんたも“ふんふん”言ってる場合じゃない。財務大臣にちゃんと正確なデータを示さなきゃ」と一喝した。
この言葉に該当する財務官僚と思しき職員が固まった場面では、委員会室に独特の緊張が走った。
「財政健全化のために減税を」 西田氏の持論ににじむ政策観
今回の質疑を通じ、西田氏の基本的な政策姿勢が垣間見えた。彼は財政健全化の必要性を認めつつ、「給付金やバラマキでなく、成長を促すための減税が本筋」という立場を貫いている。
また、「日本がデフォルトするリスクがある」といった極端な主張については、「不必要に不安を煽る」として強く否定。こうした観点からも、今回の質疑で「ギリシャより悪い」という表現への疑義や、IMF数値の扱い方に警鐘を鳴らしたのは一貫した姿勢と言える。
加藤大臣も、「委員ご指摘の通り、財政を安定的なものにし、市場の信任を得ることが我々の責任である」と応じ、政府としても今後一層の説明努力を重ねる姿勢を示した。
ネット上の反応
質疑の様子はSNS上でも話題を呼び、多くのユーザーが議論に参加している。
「西田さん、久しぶりにいい質問してる。財務省はもっと説明責任果たすべき」
「アルゼンチンと日本を同列で語るのは無理あるって冷静に言ってくれてよかった」
「“ふんふん言ってる場合じゃない”は名言。誰かスタンプにしてくれ」
「財務省の答弁ってほんと回りくどい。西田議員の言う通り、もっとシンプルに伝えて」
「こういうやり取りが国会には必要。減税派として今後も発信してほしい」
今回の質疑は、単なる財政論争にとどまらず、日本の財政の本質的な理解をどう国民と共有するかという、情報の出し方の根幹を問うものだった。西田議員の追及によって、財務省が抱える“説明不足”という課題が改めて浮き彫りとなった形だ。今後、財政政策の方向性がどう変わるのか、注視が必要である。