2025-07-27 コメント投稿する ▼
青山繁晴氏が自民大阪府連会長を辞任 石破政権に異議唱えつつ退陣要求は結論持ち越し
歴史的大敗に責任を取り青山氏が辞任
自民党大阪府連の青山繁晴会長が、27日に開かれた府連全体会議で正式に辞任を表明した。大阪選挙区で27年ぶりに自民党が参院議席を失うという歴史的敗北を受け、「責任を明確にしたい」と語った。会議の場では石破茂首相への退陣要求を巡る意見も出されたが、党府連としての方針はまとまらず、結論は先送りとなった。
青山氏はこれまで、石破政権に対して苦言を呈しており、「石破総裁は身を処されるべきであり、お辞めになるべきだ」と発言してきた。一方で、今回の会議では自ら辞意を示す一方、首相退陣の申し入れには慎重姿勢をにじませた。
「責任の所在をあいまいにしてはいけない。その姿勢をまず自らに示した」
「石破氏への退陣要求は正面から議論すべきだが、府連が割れればそれも力を失う」
「“自民は変わらない”という国民の不信を打ち破るには、まず姿勢から」
「辞任は逃げではなく、再生への出発点」
「自分の意見を通すだけではなく、組織としての意思を尊重した」
石破退陣要求は持ち越し 青山氏の辞意が象徴する“迷走”
大阪府連会議では、地方議員約40人から「石破首相に早期退陣を求めるべき」との提言書が出された。だが、府連内には「今は冷静な分析が必要」「辞任要求が党の分裂を招きかねない」といった慎重論も根強く、議論は平行線をたどった。
会議後の記者会見で青山氏は、「退陣を求める声も、続投を望む声も同時にはっきりとは出なかった」と述べ、意見が拮抗していたことを明かした。その上で「この場で一方に傾けば、府連全体が分裂しかねなかった」と、辞任を選ぶことで府連の一体性を保つ判断をしたことをにじませた。
大阪の自民党再建へ青山氏が残した“課題”
青山氏の辞任は、党内の責任問題に真正面から向き合う姿勢の表れとも言えるが、一方で、自民党大阪府連が次に向かうべき方向性を示すことができなかった点は否めない。
27年ぶりに議席を失った大阪選挙区では、野党勢力や地域政党の勢いが続く中、自民党は次の一手を打てないままだ。青山氏は「石破氏の問題というより、自民党全体の立て直しの課題だ」と強調し、党の再生には地方からの構造的な見直しが必要だと訴えてきた。
今後、府内の各支部で意見を集約し、退陣要求の可否を含めて再検討する予定だが、その舵取りは新たな会長の手に委ねられることになる。
青山繁晴という存在の重さ
青山繁晴氏は、保守系論客としても知られ、参議院議員として全国に知名度を持つ人物だ。府連会長としても、石破政権への批判や保守再建の主張を強く打ち出してきた。その青山氏が、組織内での意思統一の難しさに直面し、自らが身を引くという選択をしたことは、現在の自民党の混迷を象徴する出来事だ。
退任により一線を退くものの、今後も党内で影響力を持ち続ける可能性は高く、石破政権に対する“内部からの牽制”として、青山氏の動向は引き続き注目される。