2025-05-26 コメント投稿する ▼
エスカレーターで歩かせない!名古屋市“立ち止まり隊”の効果が劇的すぎた理由
名古屋市の“立ち止まり隊”が効果を発揮 エスカレーター安全対策が進化
エスカレーターの“片側空け”を当然とする習慣に一石を投じる取り組みが、名古屋市で注目を集めている。エスカレーター上での歩行による事故を防止するため、名古屋市は「なごやか立ち止まり隊」と名付けられたアルバイト隊員を右側に配置するユニークな対策を導入。これにより、歩行を防ぎ、立ち止まって利用する行動が市民の間に浸透しつつある。
エスカレーター事故の増加が背景に
長年、日本ではエスカレーターを使う際、「急いでいる人のために片側を空ける」ことが暗黙のルールとなってきた。しかしこの慣習が接触事故や転倒の原因となり、2019年までの15年間で事故件数は倍増。消費者庁も、「追い越し時に足を踏み外して転倒するケースがある」と警鐘を鳴らしている。安全性を確保するための具体策が、全国的に求められてきた。
条例だけでは限界? 埼玉県の挑戦
この課題に最初に立ち向かったのは埼玉県。4年前に「エスカレーターでは立ち止まって利用すること」を条例で定め、商業施設などでは一定の成果が見られた。しかし鉄道駅では、電車の時刻を気にして急ぐ利用者が多く、歩く人の割合が依然として高いという。条例には罰則がなく、改善が進みにくい現実がある。
名古屋市の“力技”がもたらした変化
そこで名古屋市が取ったのは、エスカレーターの右側に人を立たせて歩行自体を物理的に阻止するという実践的な方法。「なごやか立ち止まり隊」と呼ばれるこの取り組みは、隊長と2人の隊員によって構成され、駅で1日6時間、右側に立ち続ける。2024年には市内19駅で延べ50日間実施された。
このユニークな手法の効果は顕著だ。以前は約8割の人が歩いていたが、現在では9割以上が立ち止まって利用するようになったという。また、輸送効率の面でも成果が出ており、同じエスカレーターを450人が利用した場合、片側を空けるよりも両側で立ち止まった方が1分以上早く移動が完了する結果となった。
ネット上での反応
市民やネットユーザーからは、賛否を交えたさまざまな声が寄せられている。
「名古屋のやり方、シンプルだけど一番効く気がする」
「立ち止まれって言われても、誰も見てなきゃ歩くよな」
「急いでるときは歩きたいけど、安全も大事だよね」
「電車遅らせてでも歩かない習慣が広がるといい」
「これ、東京でも導入してほしい。人多すぎて危ないから」
立ち止まり文化の定着へ向けて
名古屋市の例から分かるように、行動を変えるにはルールだけでなく、目に見える対策が有効であることが示された。単なる注意喚起ではなく、人の動きを制限する仕組みを導入することで、安全意識の醸成に繋がっている。
エスカレーターの利用マナーは、利便性と安全のバランスが求められる時代に入りつつある。今後、他の都市がこの動きをどう取り入れていくかにも注目が集まる。