三遠ネオフェニックス、2027年もBプレミア決定 新アリーナ遅延で罰金3000万円、住民投票が転機に

二転三転を経て希望の光

プロバスケチーム・三遠ネオフェニックスが10月30日、2027年シーズンも最上位リーグ「Bプレミア」に残ることが決まった。Bリーグの臨時ライセンス判定理事会は、建設の遅れがクラブ起因のものではなく、工事が再開され開業時期が確認できたなどとして、罰金3000万円の制裁つきで「Bプレミア」のライセンス継続を認めた。愛知県豊橋市を本拠地とする同クラブは、市長交代による新アリーナ計画の混乱を乗り越え、地域の一致団結の力でプレミア残留を勝ち取りました。

三遠ネオフェニックスは2024年10月、2026年秋に開幕する新B1「Bプレミア」への初年度参入が決定していました。参入条件は、2028年までに5000席以上の新アリーナをホームとすることでした。ところが同年11月の豊橋市長選で、新アリーナ建設に反対する長坂尚登氏が当選し、市は工事契約の解除手続きに入りました。この急転直下により、三遠のプレミア参入そのものが危機に瀕したのです。

新アリーナが2028年を予定していた開業が2029年10月と大きくずれ込むこととなり、Bプレミアのライセンス基準を満たせず、2027～28シーズンの継続審議となった。リーグは「非常に複雑で稀なケース」と判断し、10月30日の判定待ちという極めて厳しい局面に置かれていました。

「豊橋市民として三遠の応援は本当に地域の誇り。ここまで来たら絶対にプレミア残留を実現してほしい」
「新アリーナは建設の遅れがあっても、地域全体で支える覚悟が必要だと思う」
「市長選の時は不安だったけど、住民投票で賛成多数になったから希望が出てきた」
「3000万円の罰金はショックだが、プレミアに残ることが決まってよかった。ここからが本当の勝負」
「三遠が頑張ってくれたから、豊橋と浜松の絆も一層深まった。応援し続ける」

住民投票と市長の決断が転機に

転機となったのは2025年7月に実施された豊橋市の住民投票でした。新アリーナ計画の是非を問う投票で賛成票が反対票を上回り、長坂市長も投票結果を受けて方針を転換し、事業継続を表明したのです。この結果が、Bリーグの判断を大きく変えました。

建設の遅れがクラブ起因のものではなく、工事が再開され開業時期が確認できたなどとして、罰金3000万円の制裁つきで継続を認めたとされています。罰金は厳しい制裁ですが、プレミア降格という最悪の事態を回避し、2年目以降のライセンス継続が認められたことの価値は極めて大きいものです。

新アリーナは2029年10月の開業予定で、豊橋公園に建設されます。総事業費は350億円程度に上り、愛知県豊橋市と三遠ネオフェニックスが一体となって完成を目指すことになります。建設の遅延はスポーツチームのみならず、地域全体の経済にも影響を及ぼすため、工事の着実な進捗が求められます。

地域とともに歩み続ける決意

三遠ネオフェニックスの岡村秀一郎社長は「地域の未来に想いを託してくださった皆さま、地域の企業・団体の皆さま、行政関係者の皆さま、そして多くの熱いブースターの皆さまに、心より深く感謝申し上げます。これからも『地域の誇り』として、皆さまとともに歩み続けます」とコメントした。

同クラブは豊橋市と浜松市の東三河地域を本拠地としており、地元企業の支援が経営を支えています。今回のプレミア残留決定は、クラブの努力だけでなく、住民投票という民主的な手続きを通じて地域全体が示した決意でもあるのです。

バスケットボール界では、各チームがプレミアの厳しいライセンス基準に対応する中、三遠は地域との絆を強化することで危機を乗り越えました。2029年の新アリーナ完成により、三遠ネオフェニックスはさらに充実した施設で、世界水準のバスケットボールを愛知県民に届けることになります。プレミア2年目以降、同チームがどのような成績を挙げるかは、日本バスケットボール全体の発展を左右する重要な試金石となるでしょう。